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子供が水いぼになってしまった時に、小児科・皮膚科の医師が「水いぼでもプールに入れます」と言ったとしても、保育園や幼稚園などの現場から「水いぼがあると入れません」と言われたら、園の方針に従うしかないと前回の記事で書きました。
親としては、プールに入れるために水いぼを「とるか」、プールに入れないけれど水いぼを「とらないか」の2つの選択に迫られます。
我が家は最初のうちは「自然に治るだろう」と考え、とらない選択をしました。
しかし、兄妹間で感染したり、水いぼの数もどんどん増えていったために、病院に行き、結局は水いぼを「とる」方法を考えることになりました。
そしていろいろと試して、我が家は病院では水いぼに「硝酸銀」を塗る治療をしてもらい、家庭では「ハトムギ茶」を飲ませ、「木酢液」をお風呂にいれることを(長男は加えて自宅で「ピンセット」も使用)続けました。
2か月継続した結果、小学1年生の長男は水いぼが完全になくなり、3歳の次女は数が少なくなっていますが、5歳の長女に関しては腕にたくさんの水いぼがあったのが治ってきたと思ったら、反対の腕や首などに水いぼが出てきてしまいました。
同じように子供が水いぼになってしまい、どのような治療がいいのか迷っている方の参考になればと思い、実体験を交えながらまとめていきたいと思います。
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水いぼの治療方法とは
水いぼを「とる」と決めた場合、どのような方法があるのでしょうか。
周りのママ友からの経験談を聞いたり、我が家から比較的近い皮膚科に片っ端から電話したり、インターネットで水いぼに関する情報を探してみた結果、今は昔のように「水いぼ=ピンセット」と治療方法が一つではなく、複数あることがわかりました。さらには皮膚科の医師によっても治療方法が異なります。
「痛いけど即効性」が期待できる治療方法
「ピンセット」で取る
我が家から近い皮膚科に10件ほど電話してみたところ、6件は「ピンセット」を使って水いぼの治療をおこなっていましたので、メジャーな治療方法のようです。
治療方法は、ピンセットで水いぼをつまんで、引っ張り、消毒して終わりです。病院によっては痛みが少なくなるように麻酔テープを貼るところもあるようですが、日本小児皮膚科学会のホームぺージには、r
数が少ないうちに摘み取るのが最も確実で早く治す方法です。トラコーマ摂子という、先が輪になったみずいぼ専用の器具でみずいぼの基部を挟み、中身のモルスクム小体をつまみ取ります。
と書かれていましたので、治療の確実性は高いのでしょう。
摘み取る方法だと『多少の痛みはあるものの、10個以内なら小さい子どもでも我慢できる事が多いです。しかし何十個となると、もう我慢できず嫌がって泣き抵抗します。』とありましたので、水いぼの数が多い場合や痛みに弱い子にはこの治療は向いていなさそうです。
麻酔テープによって、痛みが軽くなる場合もあるようですが、治療するときに抑えつけられたり、恐怖を感じて抵抗する場合は何の効果もないと書かれていましたので、子供の性格によっては麻酔も意味がないようですね。
またピンセットの方法で注意したいのは、水いぼをピンセットで芯からとってしまうので、確実性の高い治療のようですが、新しい水いぼが出てきてしまって、いたちごっこになってしまうこともあることを頭に入れておいた方がいいです。
なので、親が自宅でちょこちょこ子供の水いぼをピンセットで取っている人も少なくないようです。
ただ痕が残ってしまうこと、他に感染してしまう恐れや取りきれていない場合があること、実は水いぼじゃなかったという可能性もあるので、親が自宅でピンセットで水いぼをとることに対しては賛否両論の意見があります。ある小児科の医師からは、安全面を考えるのであれば、専門にしている病院でとるのが確実でしょうと言ってました。
もし自宅で子供の水いぼをピンセットでとりたいと思うのであれば、水いぼの場合つぶすと他の皮膚に水いぼがうつって増えてしまうし、皮膚を傷つけるといけないので、ピンセットの先端は丸い方がいいそうです。
私は小さい水いぼでもとれたと評価が高く、実際の病院で使われている下記のピンセットを購入しましたが、確かに先端が丸いので使いやすいと思います。
ピンセットだと水いぼをすぐにとれることや、親でも出来るなどのメリットがありますが、治療するために痛みを伴うことや、取ったと思ったら他のところからまた水いぼができる無限ループにはまる可能性、治療者の腕によっては痕が残る可能性などのデメリットがあります。
液体窒素を使って、凍らせてから取る「冷凍凝固療法」
次に同じように水いぼの子供を持つお母さんからすすめられた病院では、麻酔テープを使って痛みを緩和して、「液体窒素」を使って凍らせてから水いぼをとっていました。
「液体窒素」を使う方法は初めてしりましたが、ー196℃の液体を綿棒にしみこませ、水いぼに押し付けて低温やけどを起こし治すそうです。
ピンセットの時よりも痛みは少ないと説明がありましたが、個人差はあるものの治療中、もしくは治療後にやはり痛みはあるそうです。
液体窒素で治療をする場合、麻酔テープの保険が適用になる枚数が2枚なので、1回につき水いぼを4個ずつしかとれない(2枚しか使えない)と病院では言われた為に、すでに長女は10個以上もある水いぼを治療するのに、1か月ほどの時間がかかることが判明。
また水いぼが一度でとれない場合もあるそうで、その場合はまた同じように治療を繰り返すため、治療が終わるまで数か月かかるかもしれないといわれました。
ピンセットよりは痛みが少ないというメリットがありますが、治療するために痛みを伴うことや、取ったと思ったら他のところからまた水いぼができる無限ループにはまる可能性、治療期間の長さなどのデメリットがあります。
【ちょっと一言・・・】
「水いぼ」に使われている麻酔テープは安全性が高いと言っても、あくまで「麻酔薬」なので、軽いかゆみなどの副作用から、重篤になるとショックを起こすこともゼロじゃないそうです。とはいえ、実際に麻酔テープを使うことで、痛みがやわらぎ水いぼ治療がすんなりと行くこともありますし、多くの病院では麻酔テープを使うために最初は院内で1時間ほど待機させ、ショックが出ないか見てくれると思います。
「痛みは少ないけど、時間がかかったり、あたりはずれがありそうな」治療方法
「硝酸銀ペースト法」
皮膚科に10件電話してみて、1カ所だけ痛みがない「塗り薬(硝酸銀)」による治療を行っているところを発見しました。ただ「硝酸銀」を実施している病院は多くはないようですね。
子供に治療するときに痛みがないならということで、実際に行ってみたところ、先生が綿棒みたいなのに薬をつけて、水いぼ部分にちょんちょんと塗って乾かすだけなので、痛みがでるわけでなく、時間もかからずにすぐに終わります。ただし人によっては薬を塗ったときに「ヒリヒリ」する感じや痒みがあるようです。
硝酸銀を使った治療方法は、薬を塗ることで炎症反応が起きて、数週間後には治るそうですが、3人の子供達の小さい水いぼは次の日あたりから消えているものもありました。
病院からは週に1回通院する必要があると言われましたが、子供達に嫌がる様子がなかったため継続して病院に通うことができています。
ただし「硝酸銀」を塗った後に、少し時間がたつと塗った部分が黒くなるという特徴がありますので、見た目が数日~1週間ほどは気になります。特に夏は、腕とか足の部分は目立ちますので、絆創膏を貼ったりするなどして隠しています。
痛みも治療時間も少ない硝酸銀による治療方法は、小さい水イボには効果がみられたようで次の日~1週間くらいのあいだに消えました。ただし大きな水イボには効果がみられず、あとから出てくる水いぼにもまた薬を塗ってもらいに行く必要があったので、やはり治療期間は1か月かかっています。
「ヨクイニン」を飲む
効果があらわれる人とあらわれない人と分かれるようですが、水いぼの治療として「ヨクイニン」という漢方薬が病院から処方されることがあるようです。
「ヨクイニン」の効果として、イボ治療に効果があるという記載があります。
ヨクイニンの代表的な効果が「イボ治療」です。
ヨクイニンには、膿の吸収と排出を促進する作用があり、肌荒れを改善する効果があるといわれています。
イボは新陳代謝がうまくいかず、古い角質が残ってしまっている状態であるため、ヨクイニンによって新陳代謝が促進されることによってイボが改善するとされています。
ヨクイニンを服用しはじめてから効果を実感できるまで、一般的には2~3か月かかります。
出典:ミナカラ薬局 「ヨクイニンの効果や副作用は?イボやニキビへの効果も解説 」
効果を実感できるのに2~3か月と書かれているように即効性にはかけけますが、毎日飲み続けることで水いぼに効果がでてくる人もいるようです(効果がでない人もいるようですが、、、)。
ヨクイニンは、病院によっては子供が続けやすいように錠剤を処方してもらえることもあるようですので、手軽な治療方法でしょう。
とはいえ「ヨクイニン」は一応漢方薬なので、体質と合わない時にはまれに副作用ができることもあるようです。自分で購入するよりは、病院で処方してもらえた方が安心できると思いますが、私の周りの皮膚科では処方してくれるところがありませんでしたので、実施せず。
病院で処方されなかった場合に、ドラックストアなどでも「ヨクイニン」を購入することはできますが、子供の年齢が小さいと飲めない物があったりしますので、薬剤師さんと相談するなどして購入を決めた方がいいと思います。
自宅で民間療法を試しながら、水いぼ改善を目指す方法
これまでは病院でおこなわれている治療方法について書きました。
背に腹は代えられないですが、毎週ちょっと遠めの病院に子供達3人を通わせるのも大変だということで、自宅でも水いぼを改善できる方法が何かないのか調べてみたところ、多くの同じように水いぼの子供を持つ親御さんたちも民間療法で頑張っていらっしゃいました。
ハトムギ茶を飲む
スーパーやドラックストアでも売っている「ハトムギ茶」も、ヨクイニンと同じように水いぼや肌の改善に効果があると言われています。
江戸末期の『経験千万』という書物には、「イボをとるには、ハトムギのお茶を飲むとよい」と記載されている。ハトムギが疣贅をはじめ、伝染性軟属腫(水イボ)に効果があることに関して、わが国ではいくつかの論文がみられ、症例報告として尖圭コンジローマに対する有効性も報告されている。
出典:鈴木「特別講演Ⅱ 殻付ハトムギ熱水抽出物(CRD)の研究開発」
小麦のアレルギーがある人や妊婦さんは注意が必要そうですが、我が家は当てはまらなかったので、子供達の水筒の中身を「ハトムギ茶」に変更して数週間たった効果は、、、正直よくわかりません。
ハトムギ茶をスーパーで購入して子供達に飲ませたら、渋みがあり7歳長男、5歳長女は「これなんかちょっと変な味」と不評だったため、麦茶とブレンドして飲ませているので、そもそも効果が薄くなっている可能性がありますし、他の方法も同時におこなっているのでハトムギ茶の効果がいまいちはっきりせず。
ただしハトムギ茶は肌質の改善には効果があるようですし、手軽にできるのでまずは2~3か月間試してみようと思います。
ハトムギ茶はたくさんのメーカーから出ているので、色々試してみて味くらべするのも楽しいかもしれませんね。またハトムギ茶を飲むのではなく、水いぼにハトムギの化粧水を使う人もいるようです。
イソジンを塗る
水いぼに「傷薬用のイソジン」や「イソジン軟膏」を塗るという意見を、インターネットで見ました。
特に「傷薬用のイソジン」と「イソジン軟膏」をダブルで使うと効果が高いという意見もありましたが、イソジン傷薬の副作用で発疹やかゆみなどが起こる可能性もあるようなので、やはり「あう」「あわない」があるようです。
傷薬なら薬局に売っているし、ものは試しにやってみようと、水いぼの大きいのを2~3個を選んで、「傷薬用のイソジン」だけを1週間ほど試してみました。
イソジンを使用した後に、ちょっと気になる記事を発見したので追記します。
イボには様々な種類があり素人にそのイボが水いぼかどうかを判断することは難しく、医師の判断なしにイソジン軟膏で治療を行うと症状悪化の原因になりかねません。
また、市販薬のイソジン軟膏などを自己判断で水いぼに使った場合、悪化や副作用が起きた時に「医薬品副作用被害救済制度」による保障を受けることができません。
水いぼにイソジンを塗ったら効果があるという人もいて、よさそうだなと思って試してみましたが、症状を悪化させたり自己判断の場合は救済制度による保障がないなど、注意があるようです。
木酢液のお風呂に入る
「木酢液(もくすえき)」を使って、水いぼが改善したという意見も見ました。
ホームセンターに売っている木酢液は、用途がガーデニングや農業などに使用するものなので、肌につけたりするものではないようですが、アトピーや乾燥肌、水いぼなどの肌トラブルに効果がある木酢液を使って水いぼがかなり改善したという意見や、病院の先生からすすめられた人もいるようなので実際に試してみることにしました。
木酢液は種類がたくさんあるようですが、水いぼに使えるものを探してみると、価格が高いけど、口コミが評価が良さそうな「けんきの滴(しずく)」という商品があったので、我が家はこれを購入してます。
結果:ほとんど毎日のように1か月間、けんきの滴をお風呂にキャップ1杯入れて試してみましたが、水いぼがすぐになくなるということはなかったです。途中で効果をあげるために、1日1回、原液を1週間ほど塗布してみましたが効果はかわりませんでしたので、我が家の場合ははっきりとした効果はわかりません。
ただし、けんきの滴を使い始めてから、私の足かかとの部分がガサガサしていたのがとても綺麗になったので、私には肌の改善が見られました。
スピール膏を小さく切って貼る
皮膚科でも、たまに「スピール膏」を使って水いぼを治療することもあるそうです。
ドラッグストアなどで「スピール膏」が売っているので、購入して貼ることもできますが、テープによって水いぼの周りの皮膚などがかぶれたりすることがあるために注意もあるそうです。
結論:水いぼに絶対効果があるという治療方法はない?
私は子供達が水いぼになったときに、最初のうちは健康な子供では6か月~3年で自然治癒するそうなので、自然に子供たちの免疫ができて感染しなくなるのを待っていました。
ですが我が家の子供達3人は自然治癒を待つ間に、水いぼがあるとどうしても触ってしまったり、痒みがあってかいてしまうことで、水いぼが増えてしまいましたので「とる」方法を考えました。
日本小児皮膚科学会の公式サイトでは「子どもを泣かせてまでみずいぼを取るべきかについては、以前から論争の的になってきました」と前提を書いたうえで、
やはり、数が少ないうちに見つけ次第早く取ることが適切と思われます。
と結論を述べています。
でも「痛い」だろうし、また他の部分に水いぼができてしまう可能性だってあるんですよね。
自然治癒を待つというのも一つの手だと思いますが、治るのにすごく時間がかかる可能性もあります。
痛みの少ない治療方法を選ぶとこれまた治るのに時間がかかったり、そもそも効果がない場合もあるので、何が一番いい方法なのか迷うところだと思いますが、水いぼが酷くなる前には何かしらの対策をした方がいいと感じました。