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子供の虫歯予防のために歯磨き粉は必要なのか

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collusor / Pixabay

私の住んでいる地域では、虫歯の子供の数が多いので子供の定期検診のたびに、「親が仕上げ磨きをしましょう」「フッ素入りの歯磨き粉を使いましょう」という内容の歯磨き指導があります。

(※最近では歯磨き粉と言わず、歯磨剤と書いている場合もありますが、ここではわかりやすく歯磨き粉と書きます)

歯磨き指導があるたびに、私は「虫歯にならないようにするにはどうしたらいいの」「歯磨きはいつから始めるの」「歯磨き粉は必要なの」「子供達の歯磨き粉をどうやって選ぶの」と今さら聞けないけど疑問をたくさん抱えて帰ってきます。

その疑問を解消するために、実際に子供の歯の健康を守り、出来るだけ虫歯にならないようにするにはどうしたらいいかを最近の研究成果等を調べながら考えてみました。

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子供の歯磨きはいつから始めるべきか

子供の歯磨きはいつから始めるべきか考えてみましょう。

日本小児歯科学会によれば、

乳歯が生え始めたら歯みがきの習慣づけをはじめましょう。

出典:一般社団法人 日本小児歯科学会 「こどもたちの口と歯の質問箱」

 

歯磨きの習慣という表現が曖昧だと感じましたが、子供は最初歯磨きを嫌がる場合も多いことを考えれば、最初から歯磨きをするというより、歯磨きの習慣づけから始める方が進みそうですね。

 

歯磨きを始めるのは、生後6か月頃に赤ちゃんの下の歯が2本生え始めたら、まずは習慣づけから始めてみましょう。
我が家では子供達がまだ0歳の時期は歯ブラシを使わずに、赤ちゃんの歯をお風呂に入っている時にガーゼでキュッキュッと拭いて習慣づけしてから、10か月~1歳になる前くらいにはみんな歯ブラシで時間をかけずに簡単に磨くことから始めました。

 

ただ子供の歯が生える時期には個人差があり、我が家の子供達は比較的早く生後4・5カ月頃から生え始めましたが、1歳近くまでほとんど歯が生えない子供もいるので、周りの状況に合わせるのではなく、自分の子供の歯の成長具合を見ながら歯磨きを初めて大丈夫です。

歯の生え始めはこんなサインがあるかも

だいたい赤ちゃんの歯が生え始める時は、よだれが多く出るようになったり、抱っこすると洋服を舐めたり、拭いたりします。

母乳を飲ませていれば噛まれて痛かったり、歯の生え始めはむず痒いからか、ブーブーと唾を飛ばしてみたり、赤ちゃんの機嫌が悪くなることが続いたりとサインが出ることもあるので、どんなサインが出るのか楽しみにするのもいいですね。

歯磨きをするタイミングは食後すぐ

歯磨きをするタイミングとしては、歯科医師の中でも「食後すぐ」と「食後30分経過してから」という意見の2つの意見に分かれていますが、日本小児歯科学会ではこう述べています。

結論としては、通常の食事の時は早めに歯みがきをして歯垢とその中の細菌を取り除いて脱灰を防ぐことの方が重要です。

出典:日本小児歯科学会 食後の歯みがきについて

 

一部で「食後30分経過してから歯磨きをするほうが効果的」といった内容の報道があったようですが、この食後30分間というのは虫歯とは異なり、酸性の食品や胃液が歯を溶かす「酸蝕症(さんしょくしょう)」の実験による見方です。
虫歯予防のためには、食後すぐに歯磨きをしたほうが良いとしています。

歯磨き粉の役割を考える

虫歯にならない為に歯磨きが必要なのはわかりましたが、子供にも歯磨き粉を使う必要があるのでしょうか。
虫歯になる原因の酸は、唾液によって中和してくれるし、それに加えてきちんと歯磨きもすれば、わざわざ歯磨き粉を使う必要があるのかと思ってしまいました。

 

かかりつけの歯医者さんに「歯磨き粉は必要なんですか」と聞いてみたところ、「フッ素入りの歯磨き粉を使うことで、歯を虫歯になりにくい丈夫なものにするから使ったほうが良い」という答えが返ってきました。

ですが、歯医者さんや歯科衛生士さんの中でも「歯垢を落とすだけなら歯磨きだけで十分」という意見があったり、歯磨き粉を使っていないという人もいるので、実際に歯磨き粉を使う必要があるのかどうかを調べてみました。

歯磨き粉を使うメリット

  • フッ素が配合されていることで、歯を強くしたり、虫歯の抑制など虫歯予防の効果が期待できる
  • 歯磨き粉の研磨剤によって、歯の表面についた歯垢や汚れなどを効果的に落とす
  • 歯周病予防や歯肉炎の予防効果がある
  • 口臭を防ぐ

歯磨き粉を使うデメリット

  • きちんと磨けてないのに、口の中が泡立つことで磨けたと勘違いしやすい
  • 口の中が泡だらけになって、しっかりと磨けない
  • 強く磨きすると、研磨剤によって逆に歯を傷つけてしまう可能性がある

 

子供に歯磨き粉を使うのは、ほとんどの親が虫歯予防効果を期待していると思います。
でも歯磨き粉を使って逆に歯が磨けていなかったり、研磨剤で磨きすぎてきしまうなどのデメリットもあるなら、子供に歯磨き粉が必要なのか疑ってしまいます。

WHOはフッ化物配合歯磨き剤を推奨している

WHOは、フッ化物配合の歯磨き粉を推奨しています。

ブラッシングが習慣として定まっている人々にとって、フッ化物配合歯磨剤は有用なフッ化物の供給源で、毎日の歯みがきだけでフッ化物の恩恵を受けることを可能にするのです。世界保健機関(WHO)は、全ての人々にフッ化物配合歯磨剤の使用を推奨し、世界中にフッ化物を供給する重要なシステムであると述べています。

出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020 お口の予防とケア (3)フッ化物配合歯磨剤

日本口腔衛生学会もフッ化物応用をすすめている

日本口腔衛生学会もフッ化物応用をすすめており、フッ素入り歯磨き粉はフッ化物局所応用として位置づけられていました。

1.フッ素は、歯の健康のため必要であり、歯の形成期および萌出後、さらに生涯を通じて有効である。
2 歯科保健管理下で行われるフッ化物の応用は安全である。
3.子ども達のう蝕予防のため、公衆衛生的なフッ化物応用プログラムは効果的である。
4.フッ化物の応用は国際的に広く奨められている。

出典:口腔衛生学会雑誌 第32巻 第4号 「う蝕予防プログラムのためのフッ化物応用に対する見解」

厚生労働省もフッ化物の虫歯予防効果を認めている

厚生労働省も定期的にフッ化物を歯の表面に塗ることは、虫歯予防効果があると考えているようです。

フッ化物歯面塗布を伴う定期歯科健康診査・保健指導による事業の効果について、その有効性が報告されている19)20)。これらの報告では、フッ化物歯面塗布によるう蝕抑制効果と健診および保健指導による効果が必ずしも分離できていない面があるが、フッ化物歯面塗布にはほとんどの場合保健指導も伴うと考えられるので、塗布経験者率を評価指標としても、報告されている成果が得られるものと考えられる。また、フッ化物歯面塗布の回数に応じて、う蝕抑制効果の上昇が認められるため、乳歯の萌出状況にあわせ、適宜塗布を受けることが推奨される。

出典:厚生労働省 政策について 「歯の健康 (2)幼児期のう蝕予防」

幼児期の虫歯予防に関してどのくらい効果があるのか割合は書かれていなかったのですが、次の学齢期(満6歳~15歳)の虫歯予防の効果の割合が書かれていました。

フッ化物配合歯磨剤のう蝕抑制効果については多数の研究が行われ、非配合歯磨剤との比較において20~40%のう蝕抑制率であるとされている20)。

出典::厚生労働省 政策について 「歯の健康 (3)学齢期のう蝕予防」

幼児期にフッ化物配合の歯磨き粉を使うと、20~40%の虫歯予防の効果があるとするならば、フッ化物配合の歯磨き粉を使った方がよいと考えられます。

日本歯科医師会のフッ素入り歯磨き粉の虫歯の予防効果の見解は20%程度

日本歯科医医師会はフッ素入り歯磨き粉の虫歯予防効果は研究によって0~40%と幅広く、全体として虫歯予防効果は20%程度と書かれていました。

フッ化物配合歯磨剤の有効性に関する研究については、1945年以降多数の研究が行われています。わが国の主な調査によると、う蝕抑制率は効果なしの0%~40%までと広範囲にわたり、個々の研究は、配合フッ化物の種類、研究期間、対象者を管理下に置くかどうか、対象者の年齢などと背景が異なりますが、フッ化物を含まない歯磨剤との比較研究で、研究の約半数が統計学的に有意差が得られなかったのです。このことを踏まえると、全体としてむし歯の予防効果は20%程度とみるのが妥当なようです。

出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020(3)フッ化物配合歯磨剤

この文章を読むとフッ素配合歯磨き剤への効果があるかもしれないけど、効果は思ったほど高くはない気がします。
日本歯科医師会のサイトをもう少し読んでいくと、小さい子供にフッ素入り歯磨き粉を使うことに対してのリスクも書かれていました。

すなわち4歳以下では、使用した歯磨剤のほとんどを飲み込んでいるとみることができます。一方、歯のフッ素症の発現リスクは、6歳以下の幼小児期に集中し、とくに、審美的に問題とされる上顎中切歯が歯のフッ素症にかかる臨界期は1~3歳であるので、低年齢児によるフッ化物配合歯磨剤の使用が「歯のフッ素症のリスク・ファクター」としての意義が論議されるのです。

出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020(3)フッ化物配合歯磨剤

子供の歯磨き粉を探していて「フッ素」と検索すると、関連するキーワードに「危険」「危険性」といった文字が出てくるのは、歯のフッ素症を発生させてしまう危険性のことをいっているようです。

 

それに対して、日本歯科医師会はどのように対応したらよいのかを書いていました。

フッ化物応用法が複合的に利用されている欧米諸国では、幼児による歯磨剤からのフッ化物摂取が歯のフッ素症の発現率や症度の増加に関るリスク・ファクターとして懸念されています。そこで、WHOをはじめとする専門団体は、6歳未満児のフッ化物配合歯磨剤の使用に関するガイドラインを提示しており、そこには、両親による歯磨きの実施や監督、歯磨剤の「pea-size(豆粒大)」の使用量、小さな毛先部分を持つジュニア・サイズの歯ブラシの使用、歯磨剤チューブの供給口の縮小、および注意を促すラベル標示などが含まれています。

出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020(3)フッ化物配合歯磨剤

WHOが歯磨剤のガイドラインを書いているから、6歳未満にフッ素配合されている歯磨剤を使うなら豆粒大くらいで使いましょうと促しているのです。

子供の10か月検診の時、歯科衛生士さんは「爪の大きさ」くらいで歯磨き粉は十分ですと言ってましたので、歯磨き粉の量は思った以上に少なくてよさそうです。

 

ということで、子供がフッ素入りの歯磨き粉を使うことで虫歯予防効果が期待できるようですが、6歳未満の子供は特に飲み込まないように気を付けたり、歯磨き粉を適量使うように十分注意が必要ということになりそうです。

フッ素入り歯磨き粉を過剰摂取して起こる中毒症状

フッ化物は過剰に摂取すると急性の中毒症状が起こったり、継続して過剰摂取を続けると慢性中毒症状が起こる可能性があります。

直接歯医者さんにフッ化物を摂取しすぎるとどのようなことが起こるのか聞いてみた、中毒症状の説明は下記のとおりでした。

  • 急性中毒症状:吐き気、腹痛、胃の不快感
  • 慢性中毒症状:歯が生え始める時期にフッ素をとりすぎることで、歯の表面に白い斑点やしみなどの症状が現れる「班状歯」と、骨が硬くなってしまう「骨硬化症」

中毒と聞くと非常に怖いですし、体への被害があるのであれば無理して歯磨き粉を使わなくてもいいのではないかと感じましたが、歯医者さんいわく「1日で歯磨き粉のチューブすべてを飲み込むようなことをしなければ、こういった中毒症状は起こらないから、安心して適量を使ってください」と言われました。

 

日本小児歯科学会も、フッ化物に対して適正な量(6歳未満は豆粒大)を使っていれば、安全であると考えているようです。

フッ化物の急性あるいは慢性中毒が、歯科でフッ化物を用いた場合に生じる可能性は、適正な使用方法を守れば特に問題ないと考えられる。安全性についても、最近の知見から問題はないと判断することが合理的である。

出典:日本小児歯科学会 学会からの提言 フッ化物の局所応用についての考え方

 

日本歯科医師会は、「フッ化物は骨に蓄積して障害を生じることはありませんか」という質問に対して、高濃度のフッ化物飲料水を長期間飲み続けた住民から、およそ10%の人に対して骨硬化症が発現したことを説明しながらも、虫歯予防のフッ化物に対しては証拠がないと書いてありますので、適量の歯磨き粉は安全という見方をしているのだと思います。

むし歯予防のためのフッ化物利用によって、ヒトの歯や骨以外の組織になんらかの変化や障害が現れたという証拠はありません。

出典:日本歯科医師会 テーマパーク8020 フッ化物 Q&A 安全性

 

 

フッ素入り歯磨き粉も適量を使えば虫歯予防ができると考えてもよさそうですが、虫歯予防効果が100%といいきれない点や、起こる可能性は少ないとしてもフッ素の中毒症がまったくないと言えないこと、歯磨き粉に入っている添加物などの心配から、子供に歯磨き粉を使わない家庭もあるようです。

いつから子供に歯磨き粉を使うのか

歯磨きは子供の歯が生え始めてから行うとして、歯磨き粉を使うのはいつからがよいのでしょうか。

子供の歯磨き粉を使う時期も、「赤ちゃんの時期から使うことが大事」という意見と、「自分でうがいができるようになってから使う」と主に2つの意見があり、歯磨き粉をいつから使うかも歯医者さんによって考え方は違うようです。

日本小児歯科学会は、このように言ってます。

幼児期前半までは寝かせみがきが推奨され、このみがき方ではうがいはできない。そこで、この時期には歯みがきペーストは使わないようにする。

出典:日本小児歯科学会  子どもの歯みがき

私は歯医者さんにから言われたとおり、子供たちに1歳頃から歯磨き粉を使うものの、毎回フッ素をガーゼをふき取るのが苦手で、何日かやっては途中でやめてしまっています。

そのあと子供たちが大きくなって3~4歳くらいになってうがいができると、夜だけ歯磨き粉を使っています。
その結果、今のところ5歳、3歳、1歳の子供たち全員虫歯なしです。

大人用と子供用の歯磨き粉の違い

子供用の歯磨き粉は、フッ素が入っていて虫歯予防効果が期待できるし、大人も一緒に使ってもよいのでしょうか。

大人用と子供用の歯磨き粉に、大きな成分の違いはないそうですが、予防する目的が違っています。
子供の場合は虫歯予防のために歯磨き粉を使うため、フッ素入りで子供達が嫌がらないような味やにおい付きの歯磨き粉が多く、加えて子供の歯は柔らかいので、歯を傷つけないように大人用のような研磨剤は多く含まれていません。
それに比べて、大人用の歯磨き粉には研磨剤や発泡剤が多く含まれており、歯磨きの後のさっぱりした清涼感があったり、たばこなどによって汚れた歯を綺麗にする役割などを持っていたりします。

子供の歯と大人の歯は、歯の大きさや硬さが違ってきますので、出来れば年齢に応じた歯磨き粉を使うこをおすすめします。

子供の歯の健康を考えた結果

子供の歯が生え始めたときに、歯磨きの習慣はつけておいた方が良いと思います。
歯磨き粉についてはフッ素の虫歯になりにくいというメリットの反面、歯磨き粉を使うことで逆にきちんと歯磨きができてなかったり、普通に使っている分には問題ないけど、間違ってフッ素を過剰摂取してしまった時に起こる中毒症状を考えると、虫歯になりやすい体質でなければ、うがいができるまでは歯磨き粉を使わなくてもよいのかなと個人的には思いました。

 

もちろん赤ちゃんの時から使うことで虫歯予防のメリットはあるのでしょうが、歯磨き粉を使うことよりもまずは過剰に糖分を摂取していないか食事内容の見直しや、歯ブラシは広がったらすぐに取り換えるようにして、毎日磨くことを徹底した方が体に良い気がしてしまいました。

子供がうがいのできる年齢になったら、歯磨きの時に歯磨き粉を使うのも一つの手ではないでしょうか。

飲んでも大丈夫な子供用歯磨き粉は何か

とはいえ、虫歯になりやすい子供、もう虫歯になってしまっている子供を持つママは、やはり子供の虫歯は嫌だから歯磨き粉を使いたい、でも子供が小さいからうがいもできないと困っていると思います。

そんなママに、うがいができない子供でも使える歯磨き粉を紹介します。

我が家でも子供達に使っている歯磨き粉です。
対象年齢7か月~で、うがいができなくても使える「ピジョン 親子で乳歯ケア ジェル状歯磨き」は、研磨剤・発泡剤無配合で、フッ化ナトリウムにキシリトール97%が配合されているジェル状の歯磨き粉です。

近くのドラッグストアで一度見かけて、価格は500円前後と安いから購入しましたが、余計な成分は入っていないし、子供も歯磨き粉をつけると「甘い」と言ってとても喜び、5歳、3歳の上の子供たちは今でも使っています。

一度だけ他の人から貰った別のメーカーの歯磨き粉に変えたこともありますが、「辛い」といって2人とも嫌がったので「ピジョン 親子で乳歯ケア ジェル状歯磨き」に戻しています。

2つ目は、日本で初めて虫歯予防の為にBLIS M18が配合されている「ブリアン」。



子供向けの粉の歯磨き粉として高評価であり、多数のメディアでも紹介されているので、知っている人も多いのではないでしょうか。

「ブリアン」は口をすすぐ必要がないので、うがいのできない子供でも使えることや、子供の体に有害な成分を使っていないので安心して使うことができるところが良いですね。

「ブリアン」の価格が高いのが非常に難点ではありますが、子供たちが歯磨きを嫌がらずにしてくれるという評価がとても多いです。

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