桃の節句が近づくと、お祝いの準備を始める方もいるでしょう。
「毎年菱餅を飾るけど、色の意味や由来までは知らないけど大丈夫かな…」と感じたり、「ひなあられや桜餅に、どんな意味が込められているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
桃の節句にいただくお餅には、子どもの健やかな成長を願う古くからの想いが込められています。
その意味を知れば、ひな祭りがもっと素敵な一日になるでしょう。
この記事では、桃の節句に食べる餅に込められた意味や由来を知り、お祝いをより楽しみたい方に向けて、
– 桃の節句に食べられる代表的な餅の種類
– 菱餅の3色やひなあられに込められた願い
– 桜餅やよもぎ餅など、その他の縁起の良い餅
上記について、解説しています。
お祝いの席で、お子様に餅に込められた素敵な意味を伝えてみてはいかがでしょうか。
伝統行事への理解が深まり、家族の思い出がより一層色鮮やかなものになります。
ぜひ参考にしてください。

桃の節句に食べる餅の由来と意味
菱餅の色の組み合わせは見た目も華やかですが、実は一つ一つの色に大切な意味が隠されているのですよ。
古くから日本では、お祝い事のような特別な日には神様にお供えした餅を食べる風習がありました。
お餅をいただくことで神様の力を分けてもらい、無病息災や子孫繁栄を願う、という考え方が根付いていたのです。
女の子の幸せな成長を祈る桃の節句に、縁起の良いお餅を食べるのはとても自然なことだったのでしょう。
具体的には、菱餅の三色にはそれぞれ意味があります。
緑色は「健康や長寿」、白色は「清浄や純潔」、そして桃色は「魔除け」を象徴しているのです。
この三色のお餅を食べることで、子どもが元気に育ち、清らかな心を持ち、災いから守られるようにという、親の愛情が表現されています。
桃の節句の餅はどんな意味を持つ?
桃の節句に飾られるひし餅には、女の子の健やかな成長と厄除けを願う大切な意味が込められています。
ひし餅の菱形は、心臓の形を模しているという説や、繁殖力が強い植物である「菱」にあやかって子孫繁栄や長寿を願う気持ちを表しているといわれるのです。
また、ひし餅の色の順番にも意味があります。
下から緑、白、ピンクと重なっており、これは雪の下から新芽が芽吹き、桃の花が咲いている春の情景を表現しているそうです。
それぞれの色にも願いが込められており、緑はよもぎを使って健康や長寿を、白は清浄や純潔を、そしてピンクはクチナシなどで色付けされ魔除けを意味しています。
このように、ひし餅は単なる飾りではなく、子を思う親の深い愛情が形になったものなのです。
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ひな祭りと餅の関係性とは?
ひな祭りに餅を食べる習慣は、古代中国の「上巳の節句」が起源とされています。
かつて中国では、3月3日に母子の健康を願い、薬草の一種である「母子草」を入れた草餅を食べる風習がありました。
この文化が日本へ伝わったものの、時代が下るにつれて「母と子を臼と杵でつく」という言葉の響きが縁起が悪いと考えられるようになったのです。
そこで、母子草の代わりとして用いられるようになったのが、繁殖力が強く、邪気を払う力があるとされる「よもぎ」でした。
よもぎの持つ厄除けの効果が、女の子の健やかな成長を願うひな祭りの意味合いと強く結びついたと考えられます。
こうした背景から、桃の節句に餅を食べるという習慣が日本全国に広まり、やがて菱餅という形で定着していきました。
地域ごとの桃の節句の餅の違い
桃の節句にいただくお餅は、全国どこでも同じものだと思っていませんか。
実は、ひな祭りで食べられるお餅には地域ごとに様々な種類があり、それぞれに独自の文化や願いが込められているのです。
あなたの地元で親しまれているお餅も、他県の人が見ると珍しいものかもしれません。
このような地域差が生まれるのは、その土地の歴史や食文化が深く関係しているからです。
昔はその地域で手に入りやすい食材で作られていた名残であったり、江戸時代に関東と関西で異なる文化が発展した影響を受けたりと、理由は様々でしょう。
地域に根付いた伝統が、今もお餅という形で大切に受け継がれていると考えると、なんだか温かい気持ちになります。
具体的には、桜餅一つとっても、関東では小麦粉の生地であんを巻いた「長命寺」が主流です。
一方、関西ではもち米のつぶつぶ食感が特徴の「道明寺」が一般的でした。
また、京都では「ひちぎり」という、よもぎ餅をあこや貝の形にした雅なお菓子が食べられていますし、全国的に見られる菱餅も、地域によって色の順番や段数が異なる場合があるのです。
関東と関西で異なる餅の特徴
桃の節句に食べられるお餅は、地域によって特色があり、特に関東と関西では違いが見られます。
関東地方では、緑・白・ピンクの3色を重ねた菱餅が一般的です。
スーパーなどでもよく見かける、ひな祭りを象徴するお餅といえるでしょう。
一方、関西地方、特に京都を中心に親しまれているのが「引千切(ひちぎり)」という和菓子。
これは、よもぎ餅などをあこや貝の形に見立て、そのくぼみにあんこを乗せた雅な一品なのです。
その昔、宮中で人手が足りず、餅を丸めずに引きちぎって配ったことが名前の由来とされています。
切り餅を菱形に切った関東の菱餅に対し、関西の引千切はあんこを使った生菓子という点で大きく異なります。
ひな祭りの時期に関西を訪れる機会があれば、この地域ならではのお餅を味わってみてはいかがでしょうか。
北海道や九州の餅の特色
ひな祭りに食べる餅は全国で共通しているわけではなく、地域ごとに特色豊かな文化が根付いています。
例えば北海道では、ひな祭りに限定されるわけではないものの、黒糖を使った木の葉の形をした「べこ餅」が親しまれています。
その素朴な甘さが特徴で、一般的な菱餅とはまったく異なる趣を持つお菓子です。
一方、九州地方に目を向けると、菱餅の代わりによもぎ餅を食べる習慣を持つ地域が少なくありません。
特に鹿児島では、よもぎ餅をカカラ(サンキライ)の葉で包んだ「かからん団子」がひな祭りの時期によく食べられています。
よもぎの爽やかな香りは邪気を払うとされ、女の子の健やかな成長を願う気持ちが込められているのです。
また、福岡ではあられの代わりに「雛おこし」というおこしを食べるなど、餅以外にも地域独自の食文化が見られるのが面白い点でしょう。
これらの違いから、各地で大切に受け継がれてきた風習がうかがえます。
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桃の節句に食べる餅の豆知識
桃の節句にいただく菱餅やひなあられには、お子様の健やかな成長を願う古くからの意味が込められています。
それぞれの色や形に込められた意味を知ることで、ひな祭りがより深く、味わい深いものになるでしょう。
単に「お祝いのお菓子」として食べるだけでなく、その背景にある物語に触れてみるのはいかがでしょうか。
昔の人々は、自然の力や色の持つエネルギーに特別な意味を見出し、それを食べ物に取り入れてきました。
春の訪れを告げる桃の節句に、生命力あふれる草木の色を模したお餅を食べることで、女の子の健やかな成長と厄除けを願ったのです。
菱餅の三色やひなあられの彩りには、そうした親の切なる願いと、季節の移ろいへの感謝の気持ちが表現されています。
具体的には、菱餅の緑は「健康・厄除け」、白は「清浄・子孫繁栄」、ピンクは「魔除け」を意味しているのです。
また、ひなあられの色は四季を表し、「一年を通して幸せに過ごせるように」という願いが込められていると言われています。
こうした豆知識を家族で話しながら味わうと、いつものひな祭りがもっと特別な時間に感じられるかもしれません。
餅の色や形に込められた意味
桃の節句に飾られる「ひし餅」の色や形には、女の子の健やかな成長を願う親の想いが込められています。
一般的に緑・白・ピンクの3色で構成され、それぞれに大切な意味があるのです。
緑色には、よもぎが使われることが多く、健康や長寿、厄除けの願いが託されています。
清浄や純潔、子孫繁栄を象徴する白色は、雪が解ける様子を表しているのです。
そして、桃の花をイメージさせるピンク色には、魔除けの意味合いがあります。
この色の順番は、雪の下から新芽が芽吹き、桃の花が咲き誇るという春の訪れの情景を表現していると言えるでしょう。
また、ひし餅の菱形は心臓をかたどった形とされ、子どもの健康を願う気持ちが込められています。
繁殖力の強い「菱の実」に由来するという説もあり、子孫繁栄や長寿の象徴ともなっているのです。
餅を食べる際の注意点
桃の節句に餅を食べる際は、いくつかの注意点があります。
特に小さなお子様や高齢者がいるご家庭では、喉に詰まらせる窒息事故に気を付けなければなりません。
餅は粘り気が強く、噛み切りにくい性質を持つ食べ物です。
安全に美味しくいただくために、まず餅は1〜2cm程度の食べやすい大きさに切っておきましょう。
そして、一口の量を少なくし、急いで飲み込まずに、ゆっくりとよく噛んでから飲み込むことを心がけてください。
食べる前や食事の合間にお茶や汁物を飲んで喉を潤しておくことも、詰まりにくくする工夫の一つとなります。
食事中は会話に夢中になったり、他の作業をしたりせず、食べることに集中することが大切です。
周りの方も食事の様子を注意深く見守り、楽しい桃の節句のお祝いをしましょう。
桃の節句に欠かせないその他の行事食
桃の節句の食卓を彩るのは、ひし餅やひなあられだけではありません。
実は、女の子の健やかな成長と幸せを願う、素敵な意味が込められた行事食がたくさんあるのです。
代表的なものとしては、見た目も華やかな「ちらし寿司」や、縁起の良い「はまぐりのお吸い物」などが挙げられます。
どうしてこれらの料理がひな祭りで食べられるようになったかというと、一つひとつの食材に親から子への大切な願いが込められているからです。
見た目が美しいだけでなく、子どもの健康や将来の幸せを祈る気持ちが料理という形になり、古くから日本の家庭で大切に受け継がれてきました。
こうした伝統的な行事食を家族で味わうことは、素敵な思い出になるでしょう。
例えば、ちらし寿司に使われる海老は「腰が曲がるまで長生きできるように」、れんこんは「将来の見通しがきくように」という願いの象徴です。
また、はまぐりの貝殻は対のもの以外とは決して合わないことから、「将来、相性の良い素敵なパートナーに恵まれるように」との意味が込められています。
他にも、厄払いの意味を持つ白酒や、子どもも楽しめる甘酒なども食卓に並びます。
ひなあられの由来と特徴
ひな祭りに欠かせないお菓子として親しまれている「ひなあられ」。
その由来は、平安時代の貴族の遊び「ひいな遊び」にまで遡るといわれています。
当時は、ひな人形に菱餅をお供えしていましたが、その菱餅を外で食べやすいように砕いて炒ったのが始まりという説が有力です。
ひなあられには地域によって特徴があり、関東ではうるち米を原料にした甘いポン菓子が主流であるのに対し、関西ではもち米を使った醤油や塩味のあられが一般的です。
桃色・白・緑の三色には、それぞれ魔除け、清浄、健康といった意味が込められており、女の子の健やかな成長を願う親の想いが詰まっています。
また、この三色に黄色を加えて四季を表すという考え方もあり、一年を通して娘が幸せに過ごせるようにという願いが表現されているのです。
ひし餅の色の意味
ひな祭りに飾るひし餅の色には、女の子の健やかな成長を願う親の気持ちが込められています。
一般的に下から緑、白、ピンクの3色で重なっており、この色の順番は、雪の下から若草が芽吹き、桃の花が咲くという春の訪れの様子を表現しているのです。
一番下の緑色はよもぎで色付けされ、健康や長寿、厄除けを願う意味合いがあります。
真ん中の白色はひしの実を使い、清浄や純潔、子孫繁栄を象徴しています。
そして一番上のピンク色は、くちなしの実で染められ、魔除けや先祖を敬う気持ちを表す色です。
これら3色には、大地から芽吹く生命の力強さと穢れのない純粋さ、そして魔を祓う力が宿ると考えられてきました。
ひし餅の色と形には、娘の幸せを願う親の深い愛情が詰まっているといえるでしょう。
ちらし寿司やはまぐりの役割
桃の節句にいただくちらし寿司とはまぐりのお吸い物には、女の子の健やかな成長と幸せを願う大切な役割があります。
ちらし寿司に使われる具材にはそれぞれ意味が込められており、例えばエビは腰が曲がるまで長生きできるようにという長寿の願いの象徴です。
レンコンには穴が開いていることから、将来の見通しが良くなるようにとの願いが込められています。
また、豆は健康でまめに働けるようにという願いを表すものです。
はまぐりのお吸い物もひな祭りに欠かせない一品といえるでしょう。
二枚貝であるはまぐりは、対になっている貝殻でなければぴったりと合わない性質を持っています。
この特徴から、相性の良い相手と巡り会い、その人と生涯を添い遂げられるようにという願いが込められているのです。
このように、ちらし寿司とはまぐりには、子どもの幸せな未来を願う親の愛情が表現されているのです。
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桃の節句に関するよくある質問
桃の節句(ひな祭り)には、菱餅やひなあられ以外にも気になる疑問がたくさんある方もいるでしょう。
それぞれの食べ物や飾りに込められた意味を知ることで、お祝いがより一層感慨深いものになります。
女の子の健やかな成長を願う行事だからこそ、古くからの風習や言い伝えが大切にされてきました。
親が子を想う気持ちは、今も昔も変わらないため、様々な形で現代に受け継がれているのです。
例えば、「ひな人形はいつ飾って、いつ片付けるのが良いの?」という質問をよく耳にします。
一般的に立春(2月4日頃)から飾り始め、3月3日が終わったらすぐに片付けるのが良いとされています。
これは、ひな人形が子どもの厄を引き受けてくれるため、長く飾っておくのは縁起が良くないという考え方や、片付けが遅れると婚期が遅れるという言い伝えがあるためです。
桃の節句の餅はいつ食べるのが正しい?
桃の節句で餅を食べるタイミングについて、実は「この日に食べなければならない」という厳密な決まりは存在しません。
一般的には、ひな祭り当日である3月3日に、お祝いの食事の一環としていただくのが最もポピュラーでしょう。
ちらし寿司やはまぐりのお吸い物といったご馳走と一緒に、菱餅や桜餅を楽しむ光景は、多くの家庭で見られます。
しかし、必ずしも当日に限定されるわけではないのです。
立春を過ぎてひな人形を飾り始めるご家庭も多く、その期間中におやつとして楽しむこともあります。
大切なのは、子どもの健やかな成長を祝う気持ちであり、ご家庭の都合の良い日にお祝いすれば問題ありません。
また、地域によっては旧暦の4月3日にお祝いをするところもあるため、それぞれの習慣に合わせて柔軟に取り入れるのが良いでしょう。
餅の保存方法と美味しい食べ方
桃の節句に飾ったひし餅は、正しい方法で保存すれば長く美味しく味わえます。
数日で食べきるなら、乾燥しないように一つずつラップでしっかりと包み、冷蔵庫で保管するのがよいでしょう。
もし、すぐに食べきれない場合は冷凍保存がおすすめです。
使いやすい大きさに切り分け、空気が入らないようにラップで包んでから冷凍用保存袋に入れると、1ヶ月程度は品質を保てます。
美味しく食べるには、オーブントースターやフライパンでこんがりと焼き、醤油やきな粉、あんこを添えるのが定番です。
また、細かく切って油で揚げ、塩をまぶせば、手作りのおかきとして楽しむこともできます。
硬くなった餅は、電子レンジで数十秒温めると柔らかさが戻りますし、おしるこやぜんざいに入れて煮込むのも良い方法といえます。
少しの工夫で、ひな祭りの後もひし餅を様々な形で満喫してみてはいかがでしょうか。
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まとめ:桃の節句の餅で、お子様の健やかな成長を祝いましょう
今回は、桃の節句に食べるお餅について詳しく知りたいと考えている方に向けて、- 桃の節句に餅を食べるようになった由来- 菱餅やひちぎり餅といった代表的なお餅の意味- ご家庭で楽しめるお餅の食べ方やアレンジ上記について、解説してきました。
桃の節句にいただくお餅には、女の子の健やかな成長と幸せを願う、古くからの深い意味が込められています。
菱餅の三色やひちぎり餅の形にも、それぞれに大切な願いが託されているのです。
伝統的な行事だからこそ、どのようなお餅を用意すれば良いのか迷ってしまう気持ちもよく分かります。
この記事で紹介した由来や意味を少し思い浮かべながら、今年はお子様と一緒にお餅を選んでみるのも素敵な体験です。
お子様の健やかな成長を願うその優しい気持ちこそ、何よりも尊いものでしょう。
一つ一つの行事を大切にする心は、きっとお子様の心にも温かく伝わるに違いありません。
お餅に込められた意味を知ることで、今年の桃の節句はより一層感慨深い一日になるはずです。
家族で囲む食卓が、かけがえのない素敵な思い出として刻まれていくことでしょう。
さあ、今年のひな祭りは特別なお餅を用意して、お子様の輝かしい未来を願う素敵な一日にしてください。
筆者も、家族の幸せを心から応援しています。

