「よし、掃除をしよう!」と思い立ったものの、部屋を見渡して「あれ、どこから手をつけたらいいんだろう?」とフリーズしてしまったことはありませんか?
実は、掃除には効率よく進めるための「正解のルート」があります。このルートを知っているだけで、掃除にかかる時間はぐっと短くなり、仕上がりも驚くほどきれいになります。
今回は、迷いがちな掃除の順番と、状況別のスタート地点について、くらしの手帖ならではの視点でやさしく解説していきます。
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掃除はどこから始める?基本の順番と効率化のコツ
掃除をスムーズに進めるためには、やみくもに動くのではなく、いくつかの「鉄則」に従うのが近道です。まずは基本のルールを押さえましょう。
基本原則は「上から下」と「奥から手前」
掃除の基本中の基本、それは重力に従うことです。
ホコリは上から下へと落ちていきます。もし床をきれいに拭いた後に棚の上を掃除したら、落ちてきたホコリで床がまた汚れてしまいますよね。「高いところから低いところへ」進めることで、二度手間を完全に防げます。
また、ゴミを掃き出すときは「奥から手前へ」(出口に向かって)進めるのがセオリーです。これだけで、ゴミの取り残しが激減します。
始める前に必須の「換気」と「道具準備」
いきなり掃除機を手に取るのはちょっと待って。まずは窓を開けて空気を入れ替えましょう。
- 換気:舞い上がったホコリを外に出すため、必ず2箇所以上の窓を開けて風の通り道を作ります。
- 道具の準備:掃除の途中で「あれがない!」と中断するとやる気が削がれます。必要な洗剤や雑巾はカゴにまとめて持ち歩くのがおすすめです。
まずは「片付け」で床のモノをなくす
「掃除(汚れを落とすこと)」と「片付け(モノを定位置に戻すこと)」は別物です。床にモノが散乱している状態で掃除機をかけても、障害物競走のようになってしまい効率が上がりません。
まずは床やテーブルの上にあるモノを所定の位置に戻し、掃除機をかけるための滑走路を作ることから始めましょう。
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やる気が出ない時は「テーブルの上」だけ
「理論はわかるけど、今日はどうしても体が重い…」そんな日は、無理に全部やろうとしなくて大丈夫です。
やる気が出ない時は、視界に入りやすい「ダイニングテーブルの上」だけをピカピカにしてみてください。
面積の広い平面が片付くと、部屋全体が整ったような錯覚が生まれ、不思議と「もう少しやってみようかな」という気持ちが湧いてくるものです。
運気を上げたいなら「玄関」が最優先
風水や運気の視点で考えるなら、スタート地点は間違いなく玄関です。
玄関は「気の入り口」。ここが靴や砂ボコリで汚れていると、良い運気が入ってきません。全体を掃除する時間がなくても、玄関のたたき(床)を水拭きするだけで、家の空気感がガラッと変わりますよ。

【場所別】掃除はどこから?迷わないプロのルート
部屋ごとの具体的な手順についても、プロの視点で「ここから始めるとスムーズ」というポイントをご紹介します。
リビングは照明のホコリ落としから
リビングで一番高い場所にあるのは照明器具です。ハンディモップを使って、まずは照明のシェードやカーテンレールの上に溜まったホコリを払い落としましょう。
そのホコリが床に落ちてから、最後に掃除機で吸い取るのが最も効率的です。
キッチンは油汚れの「つけ置き」から
キッチン掃除は「時間との戦い」ではなく「洗剤との協力プレイ」です。
ゴシゴシこするのはNG。コンロの五徳や換気扇のフィルターなど、頑固な油汚れには洗剤をかけて「つけ置き」をしておきましょう。
汚れをふやかしている間に、シンクやカウンターを磨けば時間を無駄にしません。
お風呂は「天井」のカビ菌対策から
お風呂掃除で盲点になりがちなのが天井です。実は、カビの胞子は天井から降ってきていることが多いのです。
フロアワイパーにアルコールを含ませたシートなどを付け、天井をサッと拭くことから始めましょう。これでカビの発生を根本から抑えられます。
寝室は布団を「たたむ」ことから
寝室がきれいに見えない最大の原因は、乱れた布団です。掃除機をかける前に、まずはベッドメイキングをしましょう。
布団を整えるだけで部屋の面積が広く見え、掃除をするスペースも確保できます。「整える」ことが掃除のスタートスイッチになります。
汚部屋脱出は「入り口」の確保から
もし部屋がモノで溢れかえって足の踏み場もない状態なら、セオリーは無視してください。
最優先は「入り口から部屋の中心への通路」を確保することです。まずはゴミ袋を片手に、入り口付近のゴミを捨て、自分が動けるスペースを作ることから始めましょう。
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掃除はどこから?自分に合う起点で快適な暮らしへ
掃除の順番に「絶対」はありませんが、効率的なルートを知っておくと、家事はぐっと楽になります。
基本は「上から下」「奥から手前」。でも、心が疲れている時は「テーブルの上だけ」、運気を変えたい時は「玄関から」と、その日の自分に合わせたスタート地点を選んでみてください。
無理なく続けられる自分なりのルールで、心地よい暮らしを整えていきましょう。

