自閉症

子供が発達障害と診断された理由を、検査結果も含めてまとめてみる

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jarmoluk / Pixabay

長男が5歳児の集団検診で「自閉傾向がある」と言われ7ヶ月が経ちました。

その後は3回ほど子供と一緒に療育センターに通い、色々な検査をして医師が最終的に判断した結果は知的障害のない「自閉スペクトラム症(ASD)」。

今回我が家の長男がなぜ「自閉スペクトラム症」と診断されるに至ったのか。
また、診断後はどのように対応していくかを考えていきたいと思います。

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子供が発達障害(自閉スペクトラム症)と診断された理由

まずはじめに、我が家の長男がなぜ発達障害の「自閉スペクトラム症」と診断されたかをまとめておきます。

長男が自閉スペクトラム症と診断されたのは、療育センターにて①医師と子供の面談、②医師と親の面談で現在の状況や成育歴の確認、③脳波検査、④WISC-Ⅳ(知能検査)、⑤PARS-TR(親面接式自閉スペクトラム症評価尺度)という検査を行ったうえで、先生が総合的に判断されました。

すべての結果は、以下のようになっています。

  • 長男の実施年齢:5歳
  • 先生と子供の面談結果・・・病的な感じはない
  • 先生と親の面談結果・・・病的な感じはないけど、サポートはしていく必要があるかも
  • 脳波検査の結果・・・異常なし
  • WISC-Ⅳ(知能検査)・・・知的障害はないが、検査結果に凸凹あり(全体のIQ:96、言語理解指標と知覚推理指標の差は29と凸凹がある)
  • PARS-TR・・・PDD(広汎性発達障害)が示唆される

現状に関していえば、

  • 毎日保育所に通えている
  • 日常生活の食事面や排泄面が自立している
  • 医師との面談で本人も今現在困っていることがあまりない
  • 親の私も育児の大変さはあるが、今すぐ緊急性があるような困っていることはない

以上のことから、先生から「病的な感じはない」と言われました。

ただ、

  • 「どいて」が言えないで、困っていることがある
  • かくれんぼをしていて、隠れている子供の場所を教えてしまった
  • 失敗すると怒ったり、「僕はバカだ」というような自己評価を下げる発言がある

などといった行動があるので、周囲の人からサポートはあった方が良いと思うし、また自閉症の「三つ組症状」、WISC-Ⅳ(知能検査)では項目間にバラツキ、PARS-TRの値も高値だったことを含めて総合的に考えた結果「自閉症スペクトラム」と診断がついたようです。

    自閉症の三つ組症状とは・・・自閉症の行動の特徴である3つの症状

①コミュニケーションの障害(言葉の発達の遅れや偏り)
②社会性の障害(対人関係を上手にもてない)
③想像力の障害とそれに基づく行動の障害(こだわり行動、関心の対象の狭さや偏り)

出典:愛媛県自閉症協会 自閉症って?

追記:違う医療機関での受診結果

セカンドオピニオンではないのですが、長男の療育を開始するうえで、療育センターで診断結果を受けた2か月後に他の医療機関で再度診察をする必要がありました。

その結果はやはり療育センターと同様に「自閉症スペクトラム障害(ASD)」。

前回と同じように、①医師と子供の面談、②医師と親の面談で現在の状況や成育歴の確認、③WISC-Ⅳ(知能検査)に加えて、医師と子供の面談では手先の動きや先生の指示がきちんと通るのかをおこなうテストや④CARS(カーズ・小児自閉症評定尺度)、⑤心理検査のバウムテストを実施しました。 

WISC-Ⅳ(知能検査)に関していえば、本来であれば1年以上の期間をあけて実施するのが望ましいのですが、前回療育センターでおこなった時とほぼ同じような得点だったために結果は信頼できるものだろうと思います。

この5つの検査をおこない、やはり自閉症の「三つ組症状がある」ことと、WISC-Ⅳ(知能検査)ではバラツキがあること以外にも、先生との診察中にしっかり座ってることができずに姿勢が崩れてしまうことや、お風呂の場面で水が顔にかかるのを嫌がるなどの感覚の過敏さ、手先の不器用さなども指摘されており、長男がうまくいかないときに「僕はバカだ」といった発言をすることがあるため「二次障害も引き起こしているね」と言われています。

 

2つの場所で我が家の長男は「自閉スペクトラム症(ASD)」と診断されましたので、まぁそうなのでしょう。

ただ正直なところ私から見れば、長男と他の子供の違いというのが、何が違うのかはっきりとわからない部分も多いので、正確な診断をしてもらいたいのであれば、専門家ではない周囲の話を鵜呑みにするのではなく、きちんと専門機関で検査をしてもらうべきではないかと思います。

「自閉スペクトラム症」の診断結果をどのように利用するか

療育センターの医師から「自閉症スペクトラム」の診断を受けましたが、その診断結果をどのように利用するかは親御さんの判断次第ですと言われました。

医師は「療育センターでは、親御さんが開示してよいと言わない限りは、絶対に今回の診断結果を第三者に漏らすことはありません」とはっきりとした口調で言っていましたので、当然ながら私と夫が公開しない限りは療育センター以外の第三者が長男の自閉症について知ることはできません。

ここで私たち夫婦に選べる選択肢は以下の4つが思い浮かびました。

  1. 自閉症スペクトラムの診断を受け入れず、今まで通りに普通の子供として生活する
  2. 自閉症スペクトラムの診断を周囲には言わないが、親は対応方法を変えるなど工夫をする
  3. 自閉症スペクトラムの診断を必要な場所にはオープンにして、社会資源などを使う
  4. 自閉症スペクトラムの診断を基本的にオープンにして、周囲に理解を求める

診断を受け入れるかどうか、また診断を受け入れたとしても、誰にどこまで伝えるかもまた迷う部分です。

誰にも言わずに、親だけの心に秘めておくのか、必要に応じて開示していく場所を決めていくのか、最初からオープンにしていくのか、子供の状況や家族の考え方、周囲の状況などによっても違ってくると思います。

我が家が選んだ道

夫婦で話しあった結果、長男の「自閉スペクトラム症」という障害名を必要な時に、開示していくという選択をしました。

WISC-Ⅳの検査でわかりましたが、長男は小学校に上がった時に、黒板の文字をノートに写すのが苦手だったりと難しい部分が出てくることが予想されます。

また今の長男は、”わからないこと”や”できそうにないこと”がとても苦手だからこそ、そのような状況では行動をコントロールすることが難しく、落ち着かない行動をとってみたり、自分流の取り組みぶりになりやすいと教えてもらいました。

小学校にあがったら、少しずつ自分で考えることや周囲とあわせることを、保育所にいる今以上に求められるはずです。

長男が通う小学校には、通級による指導もあり、また通級による支援を受けなかったとしても、診断がついていれば、通常級の中で「合理的配慮」をして貰えるかもしれません。

あくまで可能性の話で「通級による指導」や「合理的配慮」をしてもらえるのか、してもらえたとしてもどこまでの支援を望めるのか、そもそも長男にとって良いものかはわかりませんが、親として子供の為にプラスになる支援をしてもらえる可能性があるのであれば、やはり必要なときに診断を開示して支援を得た方が、我が家にとっては得であると考えました。

それに、療育をするうえでお金の負担もあるので(私が申し込んでいる療育は1回60分で1万円程度)、受給要件が当てはまれば「特別児童扶養手当」が貰えたりと、長男をサポートしていくための費用の足しにすることができます。

 

このような状況なので、③の「自閉症スペクトラムの診断を必要な場所にはオープンにして、社会資源などを使う」ことにしました。

診断名をどこまで告知するかは非常に悩みましたが、長男は多動や他害はなく、知的障害もないので、「ちょっと変わった子」程度で気付かれにくいタイプなようです。

気づかれにくいからこそ、出てきてしまう問題もあると思いますが、周りからは現状はあまり気づかれてなく、本人自身もまだ周囲との違和感もなく過ごしているようなので、本人への障害の告知は本人が生きづらさを感じた時にしようと私も夫や専門家の方と相談しています。

もちろん状況は変わるので、その都度どうするかを考える必要はありますが、本人に告知する前に他の人が障害名をばらしてしまうことが怖いので、秘密が守れるような公共の機関だけ、もしくは信頼できる人にのみ開示していこうと思います。

 

この結果が長男にとって、本当に良いかどうかはまだわかりませんが、私と夫で色々なケースを考えたうえで一番ベターな方法ではないかと判断しました。

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