すやすやとベビーベッドで寝ている、赤ちゃん。
赤ちゃんを可愛がって、優しく触れるお兄ちゃん、お姉ちゃん。
お母さんの言うことをよく聞いて、手伝ってくれるそんな子供たちに、私は笑顔でいつもこたえてあげる毎日。
そんな育児を想像していたのに、現実は厳しかった。
子供は言うことを聞かなくなってくるし、わがままは言うし、些細なことで大泣きして泣き止まない。
私は毎日怒ったり、イライラしてばかりの日々でした。
「このままじゃ子供がかわいく思えなくなる」と思って、臨床心理士さんに相談しに行き、イライラを解消する方法を教えてもらいました。
今回はその時に教えてもらった、心理学的に子供が親をイライラさせてしまう原因の背景と子供への対処方法について紹介していきます。
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子供が親をイライラさせる行動には4つの理由がある
子供が泣いたり騒いだりして、親をイライラさせてしまう行動を起こす背景には4つの気持ちがあります。
- 親に注目してほしい(かまって欲しい)
- 要求を通したい(物が欲しい・やりたい)
- 逃避・回避したい(やりたくない)
- 感覚が得たい(なんとなく)
これは「機能分析」や「まごころ行動査定法(世界に1つだけの子育ての教科書より)」と呼ばれることもあります。
子供にイライラするなと思ったら、子供の気持ちが4つのなかのどれに当てはまるかを考えてみましょう。
子供が「親に注目してほしい」場合の対処法
ご飯を作るとき「さて、夕飯でも作ろうかな」と思って立ちあがると、子供がグズりはじめた経験はありませんか?
この行動の裏には、子供はお母さんの気を引きたい・注目を集めたいという心理が働いています。
たとえ怒られる結果になったとしても、子供はグズグズして親の注目を得ようとします。
子供をグズらせる、親のNG行動
- 「さて、夕飯作ろう」(子供から注目がそれる)
- 子供が泣いたり、まとわりつく
- 「ちょっと危ないから、あっちいっててね」(子供への注目あり)
親が普通にしてしまう行動ですが、どこが悪いかわかりますか?
1で親から注目がそれたのを子供は気づき、2の行動を子供がしたことで、3で親からの注目をまた得ることができました。
この結果、「お母さんは、僕(私)が泣いたり騒げば、こっちを向いてくれる」と子供は学び、また注目がそれる時には同じ行動をするようになります。
なので子供が親からの注目を集めるために、泣いたり、まとわりついた時は、あえて無視をするのが一番効果的です。
ただ注意したいのが、子供の悪い行動を減らすために無視するのが効果的といっても、子供が「お母さん」と話しかけてきたり、目を見ている時に無視をしたりすることとは違います。
子供は親から注目をして貰って褒めてもらいたいものです。
親が子供に注目できるときは見守ってあげたり、子供が好ましい行動をとった時(泣かずに「お母さん」と話しかけたときや、グズらないで目があった時)などは、しっかりと子供の話しを聞いてあげることで、子供が親にとって好ましい行動をするように変わっていきます。
子供が親にきちんと言葉で伝えられたり、可愛くアピールしてきた時は、親もしっかりと子供の目を見て対応してください。
泣いたり・騒いだりしている時は注目をしないようにしましょう。
「要求を通したい」場合の対処方法
子供と一緒に買い物に行くと、自分が欲しいお菓子やオモチャを買ってもらいたくて、子供が泣いたりだだこねしたことはありませんか?
我が家の場合、買い物に2歳の長女を一緒に連れていくと、「お菓子欲しい」と地面でじだんだ踏んだり、転がったり、大泣きしたりします。
- 「お菓子が欲しい」(要求)
- 「今日はお菓子は買わないよ」(拒否)
- 「やだ、お菓子欲しい」(大暴れ)
- 2~3を数回繰り返す
- 「じゃあ、今日は特別に一個だけ買おうか」(容認)
- 「やった」(欲求が満たされる)
こんな感じでしょうか。
「最初はダメだよ」と拒否していたのが、だだこねをしたことで最後には要求が通ってしまいました。
こうなると、だだこねをすれば親は要求を通してくれるんだと子供は学習します。
その日はダメと言い張っても、買い物に5回行って、1回だけでも要求が通れば、5回泣けば買ってもらえると学習してしまいますので、例外を作ってはいけません。
子供の学習能力は怖いですね。
なので親は子供の要求を通したくない時は、曖昧にせずに、ダメなものはダメと貫く姿勢が必要です。
もし物を買ってあげてもいいと思うくらいなら「今日はお買い物でお菓子買おうね」と最初から約束してしまいましょう。
子供が泣いたり、だだこねした時に物を与えるのは、その場は簡単ににおさまりますが、後で痛い目を見る可能性がありますので注意しましょう。
たまにお母さんは一貫してダメって言うけど、お父さんに言えば買ってもらえるという場合があります。
我が家の夫も「たまには子供になついてもらいたいんだよ」と言って甘い顔をした結果、子供たちがお父さんに「買ってもいい?」と笑顔で聞くようになってしまいました。
両親の姿勢は一致しておいた方が楽ですよ。
おじいちゃん・おばあちゃんにも子供への対応を一貫した方が良いと言われました。
私個人の意見ですが、親は躾を考えるけど、たまに会う祖父母は子供が甘えられる存在としての立ち位置でいいんじゃないかなと思っています。
義理両親だと言いづらいのもありますし・・・。
なので親だけでも対応方法を合わせてみましたが、効果がありました。
まだ子供が小さくて、上手に親に伝えることができない場合は、ジェスチャーなんかを使ってやりとりができるようにするとよいですよ。
「逃避・回避したい」場合の対処方法
我が家の4歳の長男の場合は、逃避してしまう行動がとても多いです。
やりたくないから、やらないよといった行動です。
長男の逃避・回避をしている現状
「おしっこでそう」→「一人でトイレに行けるかな?」→「一人は嫌だから一緒にいこう」
「洋服着替えようね」→「お母さんがやって」
と、かなり他人まかせの長男を、どうやれば行動してもらうことができるでしょうか?
この誰かに逃避・回避をして、行動を全部誰かにゆだねる(やってもらう)ことを続けると、子供が成長すると何もできない大人になってしまう危険性がありますので、できたら自分で行動できるように促したいものですね。
我が家の場合は、子供たちに「自分でやって」と今まで厳しく突っぱねてきましが、これもNGな行動です。
「無気力」というのは「性格」の1つのように思われがちですが、実はこうした対処不可能な経験(つまり学習の)繰り返しによってつくられていくものであることがわかったのです。
対処不可能な経験の繰り返しは無気力を生み出す場合もあれば、怒りを生み出す場合もあるんだ。
出典:世界に1つだけの子育ての教科書 子育ての失敗を100%取り戻す方法
逃避行動の場合は、子供ができそうな目標までレベルを下げて達成感を経験させる必要があります。
ドラゴンクエストというゲームの場合ですが、レベル1のスタートの段階で最終ボスを倒すことはできません。
たとえ倒そうと何度挑戦してもレベル1じゃ無理なので、途中で諦めてゲームをやめてしまいます。
ですがレベル1でも倒せるようなスライムなどをやっつけることで、レベルがどんどんあがり最終的にボスを倒せるようになります。
最初からボスを倒すことはできないからこそ、大事になってくるのはレベル1でも倒せる敵の存在。
子供ができそうな目標を、親が見極めて子供にやらせることで達成感を得る体験を繰り返しましょう。
我が家の場合であれば、
【お片付け編】
- 「お片付けしようね」
- 「無理、したくない」
- 「お母さんが電車、長男は線路を一緒に片づけよう」
- 片づける
- 出来たら誉める
3の工程で、全部はできないなら一部の片づけに変更しています。
【トイレ編】
- 「おしっこでそう」「ついてきて」
- 「いいよ」(最初はトイレまで着いていき、一歩ずつトイレから遠ざかった場所で待つようにする)
- できたら誉める
と、少しずつステップを踏んでいくことができます。
そして小さな目標でも達成できたら、一緒にすごく喜んであげることで自信がつくようになりますので、子供に期待する目標のレベルを下げてみましょう。
「感覚が得られる」への対処方法
特に理由もなく子供が泣き出すことってあるそうです。
涙が出ることや、横隔膜をひくひくさせることなどの身体の変化を得たいというものなのですが、赤ちゃんの場合は、おむつをあげても、おっぱいをあげても何をしても泣き止まない時があてはまります。
こういって泣いている場合は、冷たいようですが泣いていてもかまってはよくないそうです。
特に欲求があるわけでもないので、泣いていたとしても15分間はかまわずに刺激しないであげると、落ち着いてきます。
逆に「どうしたの?」「大丈夫?」とか声をかけてもらうと、悲しい気持が助長してしまい、もっと長い間泣いてしまうという悪循環に陥ります。
泣き止んだ時にしっかりかまってあげて、泣き止めたことを誉めるのも大事だと言われました。
子供との関係でイライラするときの対処方法
子供が親をイライラさせる行動をする時は、親は子供にいちいち付き合わなくて良いです。
家であれば好ましくない行動をしている場合は、お母さんが時間を割いて付き合う必要はありません。
その分泣き止めた時やきちんと「お母さん」と言って言葉で自分の気持ちを伝えられた時にしっかり誉めてあげてくださいと言われました。
今までの育児法をくつがえすような冷たいような意見に聞こえますが、心理学的には「報酬」と「強化」という人間の心理をついた、子供へのイライラ対処方法です。
子供の報酬は、親に褒められたり、注目されたりすることですから、よい行動をした時に褒めたり、注目してあげるのは大事ですね。
そしてもう一点付け加えたいのが、誉めるタイミングは、その行動を開始しようとした時にすることが重要です。
片づけの場合であれば、「片づけようね」といって子供が動こうとしたら、まず最初に「お片付けしようとしてえらいね」と褒めてあげてください。
片づけ終わった後に誉めていくことを繰り返してしまうと、片づけをした結果が大事なんだと子供が学び、大きくなった時に受験で失敗した時なんかは、結果にしか目がいかなくなる可能性があるそうです。
行動をしようとしたタイミングで子供をものすごく誉めると、親も子供のイライラする行動が少なくなります。
子育てをしていると色々な悩みがつきません。
育児方法も、あれがよい、これがよいと聞くと実際どれが私にとってよいのかわからなくなります。
私の場合はとりあえず何でも聞いて、自分でできそうな事柄は一通り試して、子供の反応を見ながら自分にあう方法をいつも試行錯誤しています。
今回の心理学から学んだ育児方法はちょっと冷たいなと感じる部分がありますが、私がイライラするときにちょこちょこ実践してみることで、長男と長女の行動を少し変えることができました。
今回の臨床心理士さんの話以外に、以下の3つの本を参考にしています。
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最後に
ここまでは子供の行動を変えるための話をしましたが、そもそも私が育児中にイライラするのは「余裕がない時」がほとんです。
朝早く出かけなきゃいけないのに、子供の準備に時間がかかったり、早く子供を寝かせたいのに寝なかったりと、私が「早く何かしたい」と思っている時に、子供がいてできないことでイライラするんですよね。
そもそも母親は寝ている時をのぞいて、ほとんど自分の時間を削って子供の為に動いています。
子供のことも考えず、好き勝手やっていたら、私は子供に対してこれほどまでにイライラしないんじゃないかなと思います。
そう思うと、育児中のイライラは子育てを頑張っている証拠でもあるのかもしれません。
今は子育て中で頑張りながらイライラしているお母さんも、自分に余裕が出来たらまた気持ちが変わってくると思います。
イライラしているお母さんはあなただけでなく、私も一緒です。
毎日を日々反省を繰り返しながら、お母さんとして精神的にも強くなっていきたいと思います。