自閉症

知能検査WISCーⅣ(ウィスク4)だけで発達障害とは決まらない!結果から今後の対策を!

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ElisaRiva / Pixabay

我が家の長男は5歳児健診(集団健診)で、「自閉傾向がある」と結果が伝えられました。

突然の健診結果に私も驚きましたが、夫ともよく話し合い、まずは長男を医療機関に連れていくことに。

そして今回おこなわれたのは、知能検査の「WISCーⅣ(ウィスク4)」。

 

本人や親からしてみれば、知能検査のWISCーⅣ(ウィスク4)を受けることで

「発達障害」と診断されてしまうのではないか

と不安になるかもしれません。

 

でもWISC-Ⅳの検査は、その人の得意な部分や苦手な部分が数値になって表されており、もし平均から比べてだいぶ苦手な部分があるのならば、その人にどのようにサポートしていけばいいのかを知る(考える)ために行います。

そのため「発達障害」の診断は、WISC-Ⅳの検査結果だけでは決まらず、たとえ結果が思わしくなかったとしても、発達障害であるとは限りません

「発達障害」の診断は、WISC-Ⅳの検査結果以外に以下の状況も加味しています。

  • 親から見た日常生活の様子
  • 医師から見た様子
  • 就学していれば学業の成績
  • 本人が日常生活で困っていること

今回、長男の場合においてWISC-Ⅳでどのような結果がでて、また今後はどのような対策が考えられるのかを書いていきます。

 

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WISCーⅣ(ウィスク4)とは

医師から「長男君には、知能検査のWISCーⅣを受けてもらおうと思います」と言われました。

「WISC-Ⅳ」と突然言われても、私は頭の中には?がいっぱいだったので、ここで簡単に説明します。

WISC-Ⅳ(ウィスク4)について

  • 検査内容:児童用知能検査(世界中で使われている)
  • 対象年齢:5歳0カ月~16歳11カ月の子供を対象(5歳になってない子供には難しいので、受けることができません)
  • 実施時間:60分~90分
  • 全体の知能指数は①言語理解 ②知覚推理 ③ワーキングメモリー ④処理速度の4指標の知能指数を平均したもの
  • 4つの指標の下には「類似」「単語」「理解」「積み木模様」「絵の概念」「行列推理」「数唱」「語音整列」「符号」「記号」などともっと細かく分かれており、弱い部分や強い部分、凸凹具合を数値で見ていく
  • 平均値は100(100が平均なので、多くの人は100の数字に近い場所にいて、100から遠くなるほど人が少なくなり、遠くなるほど強い、または弱い部分がある)

WISC-Ⅳとは、数ある知能検査のうちのひとつです。

検査時間の長さや問題の難しさもあって、5歳未満の子供はこの方法で検査することができませんので、5歳未満の子供や大人に対しては違う方法で検査が行われます。

 

WISC-Ⅳの検査結果はすべて数字によって評価されますが、IQが高ければよいというのではないようです。

療育センターの医師からは、この指標の数値で得意部分と、不得意部分の数値の差(いわゆる凸凹)が大きければ大きいほど日常生活で生きづらいなと思うことが多く、凸凹が少ないほど生きやすいと言われました。

なのでWISC-Ⅳの結果に関してあえて書くならば、全体のIQは平均もしくは平均以上あり、なおかつ①言語理解 ②知覚推理 ③ワーキングメモリー ④処理速度 それぞれの指標の凸凹が±15以下と少ないほど、日常生活に困りにくいと評価されるようです。

ただしこのWISC-Ⅳの検査結果で凸凹が10くらいだったお子さんが、社会性の低さから「発達障害」の診断がついている場合がありました。

あくまでWISC-Ⅳの結果は評価するための一つの目安なこと、凸凹が低くても日常生活に困ることが多い人や、凸凹が非常にあっても日常生活そこまで困っていないということもあります。

 

また先ほども書きましたが、「WISC-Ⅳの結果=発達障害がある・なし」ではなく、「WISC-Ⅳの結果=強み・弱み見つけること」です。

あくまで発達障害の診断は医師が総合的に判断して決まるので、検査をしてくれる臨床心理士さんに「我が子は発達障害があるのでしょうか」と聞いても、曖昧な返答であったり、可能性があるかもしれませんと言った話になることが多いと思います。

長男のWISCーⅣ(ウィスク4)の結果

長男の知能検査の結果です。

 合成得点パーセンタイル信頼区間(90%)記述分類
全検査IQ(FSIQ)963991-101平均ー平均

全検査のIQが、長男の場合は96と平均でした。

この全検査のIQは、評価点が高いほど知能が高く、低くなると知能が低いと評価されますが、長男の場合は平均なので「知的な遅れは見られない」という結果。

参考までに「合成得点」はどのくらいできたかという得点で、平均は100です。
パーセンタイルは、どれだけの人がテストを受けて結果が出ていても、100人の中だったら結果の低い方から見て、何番目の位置にいるかがわかります。

長男の総合的なIQのパーセンタイルは39と出ているので、100人いたら下から39番目と考え、逆にみると100人中61人は長男より得点が高いということです。

信頼区間は、この検査は90%の確率で、長男は91-101の間に入るということ。
その日の体調などでも得点に誤差が出ると医師から説明がありました。

全体のIQが70未満になると、知的障害と診断されることが多いようですが、東京都福祉保健局では知的障害の人に交付する「愛の手帳」のIQが軽度の場合は、おおむね50から75となっているので、同じIQでも70-75前後の数値だと知的障害になる場合とならない場合がありそうです。

なので数値だけでなく、各検査のIQがどの位置にあるのかを確認し、数値の差を見ます。

得点は100が平均と考えているので、±15(85-115の範囲)以上の差がある部分は、その人の強い部分、弱い部分が普通よりもあると判断されるようです。

平均的なのか、それとも強い部分か、弱い部分なのかと漠然とみればいいとのこと。

 

その次に、全検査IQの元となっている①言語理解 ②知覚推理 ③ワーキングメモリー ④処理速度の指標の結果です。

 

【計算方法:全検査IQ=言語理解+知覚推理+ワーキングメモリー+処理速度の合計÷4】

 

我が家の長男の結果です。

 合成得点パーセンタイル信頼区間(90%)記述分類
言語理解指標(VCI)11177103-117平均ー平均の上
知覚推理指標(PRI)821277-91低い(境界線)-平均
ワーキングメモリー(WMI)1035896-109平均ー平均
処理速度指標(PSI)882182-98平均の下ー平均

 

4つの指標はこれもすべて100を平均と考えているので、全検査IQと同じように誤差で強い・弱い部分を見つけて、その能力にあった支援方法を見つけることができます。

 能力の説明強い人への支援弱い人への支援
言語理解指標(VCI)言語理解、知識、概念化言語による説明 言語によらない説明(絵カード、体験)
知覚推理指標(PRI)視覚的な問題解決,情報処理能力視覚的手がかりの使用ことばによるわかりやすい説明
ワーキングメモリー指標(WMI)新たな情報を記憶、短期記憶に保持、処理する力聴覚的手がかりの使用視覚的手がかりの使用、集中できる工夫
処理速度指標(PSI)複数の情報を処理する能力要領のよさを利用スケジュール表、手順表の活用

出典: WISC-Ⅳの分析と活用 新潟大学教育学部 長澤正樹

 

長男は「知覚推理指標」が82となっていて、100の平均よりも-18となり、知覚推理指標に関しては他の人よりも弱いようです。

 

この4つの指標でもうひとつみておきたいのが、長男の場合は一番得意な「言語理解」と一番苦手な「知覚推理」の評価点の差が「29」あります。

4つの指標を見比べて一番高い数値と一番低い数値の差が15以上あった場合、能力の偏りによって発達障害と疑われる場合もあるようです。

 

長男は15の2倍、30近い数値の差が出ていたので、能力はかなり凸凹しており、知能面では問題がないものの発達に関しては偏りがみられるという結果でした。

 

結果の説明がされたあと、WISC-Ⅳの結果を書面でもらうことができました。

「全検査IQ」「言語理解指標」「知覚推理指標」「ワーキングメモリー指標」「処理速度」の数値は書かれていましたが、下位検査と呼ばれるもう一段階細かい得点は見せてもらえない決まりがあるそうで、口頭だけの説明となり、聞き洩らさないように注意しましょう。

結果から読み取れる臨床心理士の考察

長男の場合は全体のIQが平均の範囲でした。

でも「言語理解」と「知覚推理」の差は29あるし、また言語理解と知覚推理の下にあるカテゴリー(下位検査)にも差が10以上あったので、「全検査のIQ」「言語理解指標」「知覚推理指標」は数値だけで判断しないようにしてくださいと言われました。

また長男は、知的には問題がない分「理解できている」「できる」と周囲からみられることで、「できない部分」も援助してもらえない場合があると思うとのこと。

言語理解:平均ー平均の上

長男が得意な分野は「言語理解指標」。

4つの中で一番高い「111」という数値で平均から平均の上となっていました。

「言語理解指標」って難しい言葉で書かれていますが、文字通り言葉を使って理解する力です。

生活の中では目で見るよりも、耳で言葉を聞いて、物事を理解したり覚えたりする方が得意(いわゆる聴覚優位)とのこと。

その「言語理解指標」の中でも、とくに「言語理解」という項目が得意。

 

長男の中には言葉に関する知識や概念が多く、新しい言葉を聞いたとしても、今までに覚えた自分の知っている言葉から、どういうことかを理解したり伝えたりするのが得意だと言われました。

ただし言語理解は平均ー平均以上だし、長男は言葉で理解して伝わるなら、とくに問題ないじゃないかと思うかもしれません。

でも言葉を使って理解する力があるけれども、その言葉の意味を理解して、自分なりに考えたり、把握する能力は低いそうです。

また言葉での説明では難しいことを説明できるのに、簡単な説明や理解が不十分であるなど、知識に一貫性がないという特徴もみられました。

 

具体例を出してみると、夕飯時に長男に「これはみんなで食べる分ね」といって、テーブルにお皿を置いたとします。

私からしてみれば「みんなで食べるから、自分のぶんだけ少しずつとって食べてね」というメッセージが入っていたのですが、少し経ってからテーブルに戻ると、長男がほとんど食べてしまって、ほとんどないということがありました。

なので長男は、いわゆる暗黙の了解や、言葉の裏を読むことが苦手なんだそうです。

また長男が2歳の時に「終わる」ことを「終了」という言葉を使っていました。

「終わり」も「終了」も同じ意味ですが、問題なのはみんなが一般的に使うような簡単な「終わり」という単語の意味はあやふやだったりすることです。

正直「終了」という言葉を使えるのであれば、相手としては「終わり」の意味はわかっていると考えますよね。

そのために「わかっているはずなのに、なんで長男君は聞いてくれないんだろう」とわかっていることが前提になってトラブルが起きる可能性があるようです。

ワーキングメモリー:平均ー平均

覚えておく力の「ワーキングメモリー」も平均的な力があるので、言葉を使って新しいことを覚えたら、それを覚えておくことはできています。

実際に口頭で聞いた数字を機械的に覚えるのは得意なようで、7桁くらいの数字であれば丸暗記ができるようです。

ただ言われた数字を反対からいうことなど、自分の頭で数字を反転させる場合、覚えられる数字は2~3桁くらいとかなり低くなります。なので自分で考えることは苦手。

このように長男は丸暗記が得意でも、その言葉の意味を自分なりに考えて、まとめることができずに、話が長くなるという特徴もあるようです。

友人や家族などと会話をしていて「結局、何が言いたいの?」と疑問になる時ってあると思いますが、長男はこのように思われてしまうタイプです。

言葉はいっぱい使えるし、難しい言葉の使い方もあってることも多いので、なんとなく頭がいいように感じるけど、長男と喋ると会話が長くなって疲れることがあります。

またひとつの質問に対して、聞いてない情報をあれこれ付け加えて説明することが多く、聞いている方は「はやく答えを言ってよ」と言いたくなりますが、自分の話したいことをまとめるのが苦手だったんですね。

知覚推理:低い(境界線)-平均

目から見た情報を理解する能力の「知覚推理」は82なので長男の弱い部分です。

経験があることは、目で見ればそれが何を意味するかがわかります。
でも自分の知らないものが目の前にあると、その形や空間を正確にとらえることは難しく、それが何なのかを考えたり、まとめて推理する力は弱いと言われました。

ただ長男の場合は見ることができないとか、見てわからないということではなく、見本を細かく見たり、見比べたりすることが苦手なようです。見落としも多く「注意深く」や「幅広く」見るのが難しいとのこと。

処理速度:平均の下ー平均

そして目で見た情報から作業を行う力である「処理速度」は平均的。

でも目と手の運動協応性が低く、筆記動作を伴う課題では得点が低くなっていることから、小学校に行った時に黒板を見ながらノートに書き写すのは少し大変になりそうです。

就学時の支援方法

臨床心理士さんからは、小学校に入った時はノートに書き写すのがかなり遅いことを先生に説明しておくこと、学習環境は先生の席の近くなど刺激の少ない場所を選ぶ、説明や指示には具体的な表現で行い身近な具体例を出すなど工夫をして理解につなげて行った方がよいとのアドバイスでした。

また新しい学習内容・活動では事前のポイント整理やルール、動き方の確認、必要に応じて予行練習を行うなど、丁寧な準備の上である程度の予備知識や理解を持ったうえで臨めると力を発揮しやすいと言われました。

 

簡単にいえば、小学校に入学する前に、「わーい。今日からピカピカの1年生だ。何するんだろう」と期待に胸を膨らませるような状態で行くと、長男は不安や混乱してしまって、普段できることもできなくなっちゃいます。

一応、周囲の状況を見ながら行動を合わせようとするでしょうが、そもそも自分の頭では「次に何をするのか」、「今何をする時間」が理解できていないので、行動も遅れることが目立つかもしれません。

 

なので小学校に入る前から「小学校は勉強したり、お友達とのかかわりを学んだりするところ」と本人に伝えておきます。

勉強するときは、「先生の話を聞きながら黒板を見る。黒板に先生が文字を書いたら、ノートに書く」「プリントは1枚とったら、簡単にそろえて次の人に回す」など、一つひとつ丁寧に教えてあげたり、小学校を見学させたりして、本人に知識を持たせるように準備をしておく必要があります。

また先生には子供の特性を把握してもらうことで、今までのように学校生活ができると思うよという話でした。

 

小学生になると、視覚的に全体を見ることが苦手なことや、黒板を書き写したりするのに時間がかかってしまうので、今から療育などで少しずつ伸びるようにサポートをしていく必要性を伝えられました。

保護者が受けるPARS-TRについて

長男がWISCーⅣ(ウィスク4)の検査をしているのを待っている間、臨床心理士さんから「PARS-TR」という、子供の生活態度について質問に答える形式の筆記テストを、15分ほど行いました。

結果からいえば、PDD(広汎性発達障害)の特徴があることがわかったそうです。

ただPARS-TRの検査を受けて思いましたが、この検査は非常に親の主観が強いのかなと感じました。

解答するときは「する」「時々する」「しない」といったような3つの選択肢の中からひとつ選ぶのですが、たとえば「一方通行に自分の言いたいことだけをいう」などの項目では、「子供って一方通行で話すよね」と考えている人であれば「時々する」に〇がつくでしょうし、親がその点を気にしているのであれば「する」に〇がついて得点が変わってきてしまうと思います。

子供の様子をずっと見てきたのは、お父さんやお母さんだと思いますので、この検査で見える部分もたくさんあるでしょう。

私は回答時に「これはどっちかな」と判断に悩むことがけっこうありましたし、臨床心理士さんに説明してもらわなければ難しい部分もありました。

WISCーⅣ(ウィスク4)の結果は目安

WISCーⅣ(ウィスク4)の結果は、発達障害の特性があるかどうかの目安にはなりますが、その結果がすべて診断につながるわけではありません

あくまで能力に凸凹があるかどうかの傾向を知るため、また本人の強みと弱みを客観的に見るために検査をしているのですが、そもそも言語理解が苦手な人は出題の意味がわからなかったり、注意がそれてしまう場合は結果にズレが生じてしまうことがあるようです。

また長男の場合は、目から得た情報でイメージをする力が弱いと出ていますが、小さい頃はたしかにパズルが苦手だなと思っていました。

でも大好きな電車のパズルに3歳ではまって、4歳頃になると140ピースくらいのパズルを30分くらいで仕上げることができるようになっていますので、この結果にすべてのことが当てはまるわけでもないと思います。

WISCーⅣ(ウィスク4)の結果は、あくまで目安だと思いますが、WISCーⅣ(ウィスク4)の検査結果を見ると、「そういうところあるな」とか、「こういう理由で、これが苦手だったんだな」というのがわかり、私と夫も長男に対して、目で見えるように伝えるのではなく、言葉でひとつずつ丁寧に説明していこうなどの対策を考えることができるようになりました。

 

正直子供たち全員、いや夫や私も含める家族全員でWISC-4(ウィスク4)の検査をしてみたいです。

育児をするうえで、私たち(親)自身の強みや弱みを知ったり、子供の特性を知っているだけでも、どのように関わればよいかを効率よく考えられるようになると思った検査でした。

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