自閉症

5歳児健診は発達障害の早期発見のため!?健診でひっかかった長男の話

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nikodem1981 / Pixabay

私の住んでいる地域では「5歳児健診」が集団で実施されています。

厚生労働省では5歳児健診の最大の目的を「保護者が発達障害に気づく」ことにあると書かれているように、5歳児健診で発達障害があるかどうかを“診断”するのが目的ではありません

発達障害の可能性がある子供を見つけだして、その子供や親が適切な対応を覚えたり、就学に向けた準備につなげるための機会でもあるのです。

私は長男がこれまで乳幼児健診でひっかかることがなかったため、集団の5歳児健診の結果も「特別問題がない」と言われるだろうと思っていました。

けれども保育所で行われる集団検診の結果を聞く場所には、なぜか保健師さんも来ていてどことなく重々しい雰囲気がただよっていたのです。

そして面談が始まった直後に保育所の先生から伝えられたのは、5歳児健診の結果「長男君は自閉傾向があります」と思いもよらぬ言葉でした。

5歳児健診で長男のどのような部分が「発達障害の可能性あり」と指摘されたのかを書いていきたいと思います。

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長男が「自閉傾向がある」と言われた理由

私は5歳児健診の結果「長男君は自閉傾向があります」と最初に言われた時は、頭が真っ白になってしまいました。

その後、夫が一度保育所の先生に話を聞きたいと言ってくれたので、夫と一緒になぜ長男が自閉傾向があると言われたのか理由をしっかりと聞いてみました。

保育所の先生から聞いた、長男が5歳児健診で「自閉傾向がある」と言われた理由は下記のとおりです。

5歳児検診で自閉傾向があると言われた理由

  • 臨床心理士さんや保健士さんなど見たことがない人がいて、非常に緊張したのか顔が強張っていた(困っていた)
  • 長男は歌や踊りは得意でないけど、当日も歌や踊りになると少しフラフラしたり、壁によりかかったりしていて、みんなと一緒に活動するもののあまり興味を示さない
  • みんなで外で遊んでいる時に途中で疲れたのか、遊びを終わりにして、クラスに戻って絵本を読んだりして一人で過ごしていた
  • 普段も仲の良いお友達としか遊ばず、仲の良い人や同じ環境にいて安心することを好んでいる
  • テレビや物を見る時に斜めに見る癖がある(横目)

 

私から見れば「たったこれだけのことで」長男に発達障害の可能性があると言えるのかと思いましたが、臨床心理士さんから見れば長男に発達障害を疑う気になる部分があったようです。

また臨床心理士さんだけではなく、担任の先生からも「最近、長男君が保育所の中で友達の輪に入りづらそうで、ちょっと辛そうです」と私に何度か話をしてくれていたので、家とは違う集団の中で長男の気になる部分がみられたのかもしれません。

 

保育所ではこのような状況ですが、私が家で見ている時に気になる長男の様子です。

私から見た長男の気になる様子

  • 完璧を求める傾向が強く、絵が上手く描けない、勝負に勝てないと言っては、イライラして絵をぐちゃぐちゃにしたり、勝てない勝負にはそもそも最初から挑まない
  • 上手くいかない時にたまに自分のことを「バカだ」と発言し、自己評価が低い
  • 「今日は保育所どうだった」と聞くと「わからない」と返事をしたり、どう返事したらよいのか悩んでいることが時々ある
  • テレビや物を見る時に横目で見る

家で気になる部分については、保育園で「自閉傾向があります」と言われていなければ、母子手帳の5~6歳の項目はすべてクリアしており、5歳児健診の質問票にあるケンケンやスキップ、じゃんけんの勝敗などの項目でもチェックがつくこともなかったので、子供ってこんなものなのかなと気づけない部分もあると思います。

そもそも、子供って保育所と家では様子が違ったりしているんですよね。

 

自閉症はだいたい3歳頃までに何らかの症状がみられると言われますが、症状やその子供の発達状況によっても違いがあります。

また軽度発達障害児に関しては、厚生労働省の資料によると”5歳児健診で発見された児の半数以上は3歳児健診を通過していた”という記載からもわかるように、親は子供の様子を専門家のようには見ていないからわからない部分もありますし、また日ごろから見ているからこそ気づく部分もあるので、親と専門家の両方の意見を聞いてみないとわからない部分はあるでしょう。

参考リンク:厚生労働省 軽度発達障害児に対する気づきと支援のマニュアル 資料2-1

 

5歳児健診でひっかかったら、どこに相談すれば良いのか

では、5歳児健診で「発達障害」の可能性を指摘されたら、親としてはどのようにすればいいのでしょうか。

一般的に5歳児健診で引っかかった場合、その後の対応等を相談するにはこのような場所があります。

  • 保健所・保健センター
  • 児童相談所
  • 発達支援センター
  • 医療機関
  • 療育機関
  • 発達クリニック
  • 市町村がおこなう子育て相談、心理発達相談、教育相談

 

基本的には「発達障害」の可能性を指摘された先生や保健師さんなどから、住んでいる地域で「このような相談場所があります」と教えてもらえるでしょう。

ただ、私の場合は長男の相談場所として保健師さんからすすめられたのは「市町村の子育て相談会」「療育センター」の2カ所だけでした。

地域(地方自治体)によって発達障害に対する支援の手厚さや受診までの状況などはかなり異なります。

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我が家の住んでいる地域では、療育センターに診察の予約を電話でしたところ8か月待ちといわれ、市町村の子育て相談会も定員がいっぱいになってしまったから、来月にしてくださいと言われるほど、子供の発達に悩んでいる親または指摘を受けているお子さんがいることがうかがえました。

ですが、このような状況でも隣の市町村や県に行くとすぐに受診できることもあったりするそうです。

 

ここで注意しておきたいのが、子供に発達障害の疑いがでているのであれば、できれば小児神経専門医や児童精神科医、子どもの心相談医など発達障害に詳しい医師や、信頼できそうな医師を選んだり、相談する場所も口コミや実際行ってみて信用できる場所かどうかを確認するのも大事です。

その理由として、発達障害は血圧のようにこの数値になれば診断されるというものではないので、検査の仕方やその時の体調によって検査による数値が違ったり、医師によっては診断がついたりつかなかったりすることもあるからです。

 

とはいえ、せっかく相談または受診する場所が決まっても、受診までに時間がかかり過ぎる場合は、子供に自閉症の疑いがあるのに、診断してもらうこともできず、何もせず様子をみることしかできないなんて、親としてこんなにもはがゆい思いはありませんし、追い詰められたような気分にもなりますよね。

 

私は受診までの待っている間は、長男が子供の小さい頃からの状況をまとめてみたり、自閉症スペクトラムについて学ぶために本を買い込みました。

概要をつかむために夫と一緒に以下の本を読みました。

私のようにまずは自分で勉強するという方法もありますが、そのほかに全国50都道府県市にある「自閉症協会」では、時間は短いけれども無料相談があったり、地域によっては発達障害児への支援をしてくれる「発達障害支援センター」があります。

また身近な場所では、自分の住んでいる市町村の子育て課や教育相談などの場所でも相談ができると思います。

5歳児健診で自閉傾向を指摘されて思うこと

長男は年中の秋に5歳児健診で「自閉傾向があります」と指摘されたので、その後専門機関に行ったところ年長の時に「自閉スペクトラム症(ASD)」の診断がつきました。

そのため、小学校の入学前からサポートしてもらうための選択肢ができましたし、長男の得意な部分や不得意な部分も数値として教えてもらったので、5歳児健診で発見してもらえてよかったなと個人的には思います。

 

ただ、我が家の場合は「自閉スペクトラム」の診断がつきましたが、同じように5歳児健診でひっかかった子供がいても、長男と同じような結果になるかどうかはわかりません。

5歳児健診でひっかかって親が悶々と悩むのであれば、自閉症かどうかはひとまず置いておいて、自分の子供がどのような傾向があるのか、強みや弱みを理解して育児をしやすくする為の方法として発達障害を知っておくこともよいのかもしれません。

我が家の場合は診断がついたので、今後はどのように長男をサポートしていくのかを考えていきたいと思います。

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