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発達障害の子供の就学で「通級による指導」という選択肢を考える

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Katrina_S / Pixabay

年長になった長男は、療育センターで知的障害のない「自閉スペクトラム症(ASD)」と診断されました。

診断がついてからは、色々な場所に相談したり、手続きをしたりとバタバタしていますが、ここ最近の悩みは長男の就学についてです。

長男の就学先は、学区内の小学校を考えていましたが、その小学校に入るとしても、みんなと同じように「通常の学級」に通わせるのか、基本的には通常の学級にいて、週に1回くらい特別な指導をしてもらえる「通級による指導」を受けるのか、それとも一人ひとりに応じた教育をする「特別支援学級」が良いのか、親としてどのように選択していけばいいのか悩みます。

それ以前に、どのような方法で就学先を考え、決めていけばいいかわからず右往左往している状態なので、実際に見学に行って話を聞いたり、情報を調べてみたことをまとめてみました。

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「通級による指導」はどのようなことをするのか?

長男の発達障害がわかってから、「通級」という言葉を聞くようになりましたが、どのような指導を行うのでしょうか。

保育士の先生からは「通級は、小学校で週に1回くらい、自分の苦手な部分を塾で補うイメージです」と教えてもらいました。

もう少し説明を足すと「通級による指導」とは、文部科学省が子供の可能性を最大限に伸ばすことを目指す為の特別支援教育の一つで、普段は通常の学級でたくさんのお友達と学びながらも、週に1~2回ほど、通常の学級から抜けて、別の教室に移動して苦手なコミュニケーションスキルだったり、学習でつまづいてしまう部分を教えてもらうことができるという教育支援です。

「通級による指導」を選ぶ場合は、通常の日常生活は問題ないため、基本的に通常学級のクラスに籍が(例えば、〇〇小学校 1年1組)あり、ほとんどの時間を通常学校で過ごしますが、障害の特性によって、先生からの指示を上手く理解できていなかったり、板書に時間がかかってしまったり、子供達同士の関係を悪化させやすくなっているなど、個別にフォローの必要がある子供が対象となります。

 

ですが、私が住んでいる地域では、すべての小学校に「通級による指導」がありません

子供に障害があって通級指導を希望している場合は、子供がお昼休みなどを使って他の学校に移動して「通級による指導」を受けることもあります。

また、通級による指導の希望者が多くなりすぎている為、通級による指導を受けるためには障害の診断名がないと受け入れてもらえない状況ですので、親が希望すれば通級による指導が受けられるというわけではありません。

 

そして通級の指導方法も、その学校ごとに違っていて、勉強の苦手な部分である学習補充に重点を置いてある学校もあれば、社会生活が苦手なのでソーシャルスキルトレーニング(SST)をやっている場合、両方ともやっている場合があります。

 

ソーシャルスキルトレーニングと一言でいっても、子供が実際に困っている場面を想定した実戦形式でやる場合もあれば、マニュアル本に従ってやるような場合もあり、通級を行っている先生の力量によっても違ってきますので、発達障害があるから通級指導を受けた方が良いとは限りません。

あくまでその子供の特性に合わせた就学を考える上で、一つの選択肢にしかならないのです。

「通級による指導」の対象者は誰?

通級による指導の対象者は、小学校や中学校、中等教育学校の前期課程の通常学級に籍がある子供の中で、視覚障害、聴覚障害、言語障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、自閉症、情緒障害、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)が対象となっています。

参考までに、通級による指導ではなく、さらに個別対応を必要とする特別支援学級での対象者は、視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、病弱・身体虚弱、言語障害、自閉症・情緒障害が入っています。

長男の場合のような知的障害のない「自閉スペクトラム症」と診断されている、上記のどちらにも該当しているため、子供の選択肢は3つあります。

  1. 通常の学級で合理的配慮を受ける
  2. 通常の学級で在籍しながら、通級による指導を受ける
  3. 特別支援学級

1~3に関してはそれぞれメリットやデメリットがありますし、長男と同じような「自閉スペクトラム症」であっても、その子の特徴は十人十色で何が一番良い道なのかすごく悩む部分でもあります。

参考サイト:特別支援教育の対象の概念図 - 文部科学省ホーム

また「自閉スペクトラム症」の診断を小学校には告知しなかったり、告知していても親の希望があれば、通常学級の中で配慮をせずに、他の子供達と同様に見てもらうという選択肢もあります。

「通級による指導」に関する相談場所

このように発達障害などのある子供の場合、就学という子供の成長を感じる一つのイベントも「入学後、子供にとって最善の状況とは何か」という選択をせまられます。

「親が最終的に決める」「子供にとって一番良い状況を」とよく言われますが、どの選択肢を選べばいいのか、逆に判断が難しかったり、そもそもどのように手続きをすればいいのかわからない場合、相談できる場所があります。

 

まず誰でも相談できる場所として、「通級による指導」の手続き方法や就学に対する不安は、自治体の教育委員会が、就学相談・教育相談の窓口となります。

他にも療育に通っていたり、病院にかかっていたら、医師や心理士、相談員などに相談することもできるので、迷っているのであれば親から見た子供の姿だけではなく、色々な角度から、子供にとって最善の選択を考えていくのも手だと思います。

今回、私も緊張しながら色々な場所に電話したり、実際に相談に行きましたが、「他の子と同じように普通学級にいれる」という選択肢以外は、親が積極的に動かないと情報が手に入らなかったり、知らない間に受付が終わってしまっていたりすることがあります。

後悔しない為にも、就学先の情報収集や周りとのつながりを少し早めに作っておくのが良いと勉強になりました。

私の場合は、以下のような方々に就学相談をしました。

①臨床心理士さんに相談

長男の就学先に関して悩んだ時に、まずは長男の様子を知っている臨床心理士さんに相談することにしました。

臨床心理士さんからは、まず通常の学級か支援学級に行くかで考えてみる必要があると言われました。

「自閉スペクトラム症」といっても十人十色ではありますが、通常の学級か支援学級かを選ぶときに考えたいのは、本人がどちらを選択した方が伸びのびと学べるかということを考えた方が良いと言われています。

保育所の先生とも面談をして、「大きなイベントがない時は、集団での困り感が少ないこと」「お友達とも楽しく遊べている」「工作などでわからない部分は先生に聞ける」などの様子を臨床心理士さんに伝えたところ、長男君は他の子供との関りを好んでいますし、集団にあわせてやろうという意欲があって、現在保育所でも集団生活ができているので、通常級に行く方が伸びのび学べる人かなと思いますと言われました。

ただ通常級で勉強しながらも、個別に対応ができる通級による指導の中で、長男の苦手な部分への働きかけをしてもらうためにも、「通級による指導」の権利を確保しておいたほうがいいかなとすすめられました。

②小学校を訪問して通級担当の先生に相談してみた

来年通う小学校には長男の診断結果が出てからすぐに、「通級についての質問があるのですが」と電話で問い合わせたところ、特別支援教育コーディネーターと呼ばれる先生が、通級による相談を行っており、実際に訪問して話を聞くことになりました。

通級による指導の実際の様子は、プライバシーの問題などがあり見ることができませんでした。

まだ長男が小学校に入学していないので、正直な話どこでつまづくかの予測が親もコーディネーターさんもできないので、実際の教室の様子や何人くらいの人数で、先生の人数はどのくらいなのか、どのような授業をしているのかなどを聞いてきました。

最終的には、通級による指導を希望する・希望しないも親の意向が最も重要視されるため、親がどうしたいかを決めてもらうことになりますといわれましたが、学校でもできる限りのサポートはできるように考えますと言われましたし、先生の雰囲気などもわかりました。

③教育委員会に相談してみた

「通級による指導」を受けるかどうかもそうですが、それ以前にどのような手続きをすれば「通級による指導」を受けられるのかがわからなかったので、直接教育委員会に電話して相談してみました。

教育委員会って、すごく敷居の高い感じがしたので緊張しましたが、実際の担当者は年配の男性が丁寧に対応してくれました。

手続き方法は各自治体によって違いますが、参考までに私の住んでいる場所での手続き方法です。

私が住んでいる場所では、まず「通級による指導」を親が選択肢として考えている場合、夏(8月)までに病院で診断書を貰い、その他に親が子供の成育歴や現在の状態などを書いた書類をすべて準備する必要があります。

この書類をすべて用意したら、保育所(保育園・幼稚園)を経由して自治体に提出してもらうと、ようやくここで「通級による指導」を受ける権利を得ることができます。

この夏(8月)の時点で書類を提出しなかったり、まだ診断がつかない状態で、保育所・幼稚園や子育て課など誰にも相談もしないで放っておいてしまうと「通級による指導」を選ぶことができなくなり、援助がない普通学級になりますので、提出物がそろわなくても、必ず通級による指導を選択肢と考えていることだけは伝えて、書類をできる範囲で揃えることが大切になります。

 

書類を提出すると、その後に保育所の先生や、病院の医師、心理士、小学校の先生などの専門の人たちが集まって、1人ひとりの子供にとって入学後に一番いい状況は何かということを決定する為の会議が開かれます。

審議結果は秋~冬頃に出るので、その結果「通級による指導」が必要と記載があり、「通級による指導」を親も望めば、同意書を提出すると「通級による指導」を受けることができるようになります。

「通級による指導」が必要と書かれていても、親が必要でないと考えていれば、同意書を提出せずに普通学級で過ごすこともできます。

まずは「入学後、お子さんにとって一番いい環境になるように考えてもらうこと」と「最終的な判断は親ができること」を念頭に考えてみてくださいと言われました。

入学後の「通級による指導」が決定すれば、個別に指導計画の作成が始まりますが、子供の成長とは思った以上に速かったり、遅かったりする部分もあるので、その部分も臨機応変に子供の成長に合わせて考えてくれるそうです。

審議会を受けて判定結果を待つことにした

夫と話し合って、まず審議会で判定結果を見ることにしました。

今のところ、子供の特性を親自身が見えていない部分も多く、悩みがつきませんが、少しでも子供の特性にあった一番良い環境を考える為にも、色々な人から見た長男を総合的に判断して行こうと思います。

「通級による指導」については各自治体や学校ごとに考え方は違うと思います。

また「通級による指導」を受けている児童数も右肩上がりなので、希望をしても入れない場合もあるようですので、その場合は学校から考え直す必要があるかもしれません。

参考サイト:文部科学省 特別支援教育資料 平成28年度 第1部集計編(3)通級による指導を受けている児童生徒数

どの選択をすれば子供がより伸びていけるのかを、これから私も夫も考え続ける必要がありますし、「通級による指導」を選択しても、次の年、また次の年と繰り返し、子供にとって何が最善かを考えなければなりません。

簡単に書きましたが、これはかなり精神的に辛く、知り合いのお母さんは悩みすぎて体調を崩している人もいました。

 

人の親であれば子供に最善の選択をしてあげたいと思うものだと思います。

子供が発達障害であろうがなかろうが関係ありません。

ただ漫然と流れに従っていては後手にまわりますが、先手を取って動いていられれば、より多くの情報に触れ、より良い選択肢を得られるのだと考え今日も色々動いています。

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