自閉症

子供の発達障害が疑われてから診断結果が出るまでの親の気持ちの変化

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Counselling / Pixabay

我が家の長男は6歳になる直前に「自閉スペクトラム症(ASD)」と診断されました。

私が3人の子育てをしていて、薄々感じていた長男への違和感が「障害」によるものなんて夢にも思っていませんでした。

愛する我が子に障害があるとわかったとき、一人の母親として何を思い、何を感じたのか。
また、自分の気持ちの整理をする意味でも書き残しておこうと思います。

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子供の発達障害を疑われた時、認められなかった

我が家の長男の場合、発達障害を疑うようになったのは、市町村で実施している5歳児の集団検診の結果、保育所の先生から「自閉傾向があります」と言われたからです。

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それまでの乳幼児健診でもひっかかったことがなく、市や児童館などが行う子育て相談で長男の育児に対する不安を話しても「お母さん気にしすぎですよ」と何度か言われたこともあり、「私は考えすぎなんだろうな。子供ってこんなものなのかもな」と思った矢先のこの言葉は、おそらく一生忘れることはないでしょう。

長男は保育所でお友達と喧嘩になるようなこともなく、人数は少ないながらも仲良しの友達と楽しんで遊んでいるし、言葉もしっかり話せています。

私から見れば、長男のような子供は他にも周りにいるので、「なんで長男だけ発達障害の疑いがあるなんて言われるんだろう」と疑問に思っていました。

また今まで育児に対して「お母さんの気にしすぎです」って言われてきたこともあり、「今さらそんなこと言われても」といった思いもあります。

「自閉傾向があります」と保育所の先生から聞いた後は、何も考えられず、保健師さんや保育所の先生から色々と説明されてもほとんど頭にはいらず、ただひたすらに「大丈夫です」と泣きながら言い続けて、手が震えていたのを今でも思い出します。

 

この時、私は発達障害についてまだまだ知識不足だったこともあり、不安や発達障害に対する偏見ですぐに受け入れることができませんでした。

子供に発達障害の可能性があると分かった時の父親の思い

保育所から帰ってきて私はすぐに、夫へ「保育所から、集団検診の結果、長男が自閉傾向があるって言われた」とメールをしました。

夫は早く帰宅してくれて、簡単に私から話を聞いた後に、「とりあえず自分も保育所の先生から直接話を聞きたい」といって、保育所の先生に再度面接をお願いしました。

夫は私から5歳児検診の結果の話を聞いたとき、「あくまで5歳児検診の結果。医師による診断が出るまでは決まったわけではない」と発達障害であると断定することはしませんでした。

また、私が育児の中で子育ての難しさを感じてた時も、「大変っていうけど、育児はみんな、こんなもんじゃないか」と思っているようでした。

長男が横目でテレビを見ているという事実についても、「周りの人がそうやって、発達障害とか騒ぎ立てて、長男をそういう色眼鏡で見てしまっているのではないか」と、疑心暗鬼になっていたと話してくれました。

子育てにはよく参加してくれている夫ですが、やはり四六時中子供たちと一緒にいる私とは少し子供の見え方が違うながらも、私と同じように子供に発達障害があるとは認められないというスタンスでした。

発達障害と認めることができたきっかけ

私の場合は、結果に白黒しっかりつけたいタイプですし、また夫も「長男にきちんと診察をしてもらって結果をみよう」と言っていたので、長男を専門機関に診てもらうのには夫婦ともに抵抗はありませんでした。

むしろ私も夫も今の長男の状況がどうなっているのかを早く知りたくて、「結果はいつなのか。1年くらい経ってしまうのかな」といった焦りがあったくらいです。

結局「自閉傾向がある」という疑いから診断結果が出るまで7か月間かかりましたが、その間に気持ちの変化が少しずつでてきました。

長男の診断結果がでるまでの期間中は、私が気持ち的に落ち着かず、インターネットや本で、自閉症児の特徴と自分の子供を比べてみては、同じような状況でないと「違うんだから大丈夫」と安心してみたり、調べた内容にあてはまる項目があれば「やっぱり自閉症なのか」と落ち込んだりと一喜一憂を繰り返していました。

最初のうちは、私は長男が発達障害ではないということを、誰かに肯定してほしくて一生懸命に情報収集をしてます。

そのうちに発達障害児をもつ親御さんたちの苦労をしながらも楽しく生活されているブログなどを見ていると、障害があるかどうかといった情報を調べるだけでなく、発達障害児を持つ家族として、笑っちゃうようなブログや参考になるブログを見るようになり、「長男に発達障害があったとしても、そんなに絶望的に考えなくてもいいのではないか」と思うように考えが変わってきています。

 

また私の場合、時間を見つけて保健師さんと会い、「発達障害の子供」に関する情報を教えてもらうことで、診断がつけば状況によって手当がもらえたり、小学校でも通級による指導が受けられるといったサポートしてもえる部分もあるということを知りました。

保育所の先生からは年に数回ほどの面談の中で、今までと変わらずに細かに長男の様子を良い面・苦手な面とともに教えてもらい、診断までの時間がかかる中の不安なども聞いてもらったりしました。

このように周囲の人たちに支えてもらったり、また自分でも発達障害の情報を調べていくうちに、漠然と不安に感じていた子供の発達障害への拒否感から、「やっぱり長男は自閉症の傾向があるかもしれないし、対策を練る必要があるんだな」という気持ちに変化していきました。

漠然とした不安も、しっかりと向き合って情報収集をしてみたら、不安感がかなり減っていました。

夫の気持ちの変化

私がいろいろな相談機関で相談してきたり、病院での受診などに同席したりを繰り返していく中で、保育所の先生や専門の人たちが「長男が生きづらさを抱えている」という言葉に、夫自身が長男のことを見れていなかったかもしれないという気づきに少しずつ変わっていったと言います。

その後は夫も一緒に発達障害の本を買って勉強したりしていくことで、「自分にもそういった傾向はあるかもしれないな」と感じたり、「今、子供に何をしてあげられるのか」と気持ちが変化していき、今では一緒に頑張ってくれています。

診断結果が出たとき、気持ちがストンと落ち着いた

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長男が「自閉症スペクトラム」と診断された時は、保育所で「自閉傾向がある」と言われてから7ヶ月が経過していました。

私も夫も診断結果を聞いたときに「あぁ、やっぱりそうだったのか」と、ようやく私達や長男が今どのような状況にあるのか結果が出たことで気持ちもストンと落ち着き、なんだか気持ちが前向きになれた気がしました。

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ただ、長男の場合、診断はされたものの、どのような専門機関にかかったほうが良いなどの情報は先生からもらうことはできず、あくまでも診断がついただけでした。
その後は私が事前にリサーチしておいた療育の場所を予約待ちしました。

これから先、長男が発達障害があることで、平坦な育児ではなくきっと困ることも出てきたり、親子ともども歯がゆい思いをするかもしれません。

でも、きっとそれは障害のない子供を持つ親でもあることでしょうし、また発達障害のある子供と一緒に過ごす生活から何かを得ることもあると思います。

愛する我が子との生活を少しずつでも楽しみながら、落ち込むことがあっても前向きに頑張っていこうと思います。

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