子育て・育児

「さかなクン」のお母さんの育児方法が凄すぎて真似できない件

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福島県の三春町にある「コミュタン福島」で、「さかなクン」の講演会がありました。

さかなクンといえば、東京海洋大学名誉博士・客員准教授であり、魚に対して豊富な知識を持っていることで非常に有名です。

意外なことにさかなクンは、小さい時にはまったく魚に興味がなかったり、また魚に興味を持ち始めてからも、小学校時代は5段階評価でオール2をとったりしたことがあるなど、私のイメージとはかけ離れていました。

今でこそ、さかなクンは子供だけでなく大人にも人気がありますが、このさかなクンの人気の陰には、さかなクンのお母さんが「さかなクン」の個性を伸ばすために実践してきた育児方法に何か得るものがあるのではないかと思い、調べてみました。

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さかなクンのお母さんは「好きなことを自由にやらせてあげること」を大事にした

さかなクンは、小さい頃から「興味を持ったものには、とことんのめりこむ性格」だったそうです。

その反面、興味を持っていること以外には、あまり乗り気ではなかったのか、小学生の時には、通知表でオール2をとってしまったこともあり、また担任の先生からもお母さんに対して「魚が好きなのはわかりますが、もっと勉強をさせた方がいいんじゃないですか」と言われてしまったそうです。

でも、さかなクンのお母さんは「あの子は、絵が好きで、お魚が好きなので、それでいいんです」と先生に伝えたそうです。

子供の親ならば、小学校の先生に「子供の成績がさがっている」と指摘されたら、子供の成績の心配をしてしまいそうですが、さかなクンのお母さんが一番大事にしたのは、好きなことを自由にやらせてあげること。そして、個性を伸ばしてあげたいと強く思ったそうで、さかなクンに対して「勉強しなさい」と言ったこともないそうです。

 

さかなクンのお母さん自身、自分の夢を両親から反対されてあきらめてしまった経験があるからこそ、子供には好きなことをさせてあげたいと思ったそうですが、好きなことを自由にやらせてあげることがなかったら、今のさかなクンはきっとなかったと思います。

さかなクンはずっと魚が好きだったわけではない

私は、さかなクンは魚に関して知識が豊富だし、小さい時からずっと魚が好きだったのかと思いましたが、実は小さい時にはまったく魚に興味がなかったそうです。

絵が大好きで、小さい頃は魚よりも、動物のように見えたという理由からトラックが大好きで特に好きだったのはゴミ収集車、その後は、ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげる先生の妖怪、タコと好きなものが変わっています。

今のさかなクンは、タコが好きになってから、他の魚とも触れる機会があり興味を持つようになって、すこしずつ魚を好きになっています。
そんな時に、お母さんは「魚が大好きなら、徹底的に調べなさい」とさかなクンの興味が、どんどん変わっても応援し続けたそうです。

 

子供の興味がコロコロ変わっていくことは、よくある話だと思いますが、最初は子供の興味につきあっていても、そのうち子供の興味につきあうのに親が疲れたり、「飽きっぽいんだから」とついつい子供の興味を否定しがちになりますよね。

最後まで応援してあげるという姿勢が、子供の興味を失わせない為にも大事なのかもしれないと思いました。

 

応援する姿勢は、親によっても違うと思いますが、さかなクンのお母さんはさかなクンに対して、このような対応をしていました。

①ゴミ収集車を見せに車庫へ

さかなクンの小さい頃は、トラックが大好きだと書きました。

特にゴミ収集車は種類の見分けがつくほど好きだったさかなクンに、お母さんに「いいところがあるよ」と言って、ゴミ収集車の車庫に連れて行って、見せてあげたそうです。

その感動は、大人になった今でもさかなクンは鮮明に覚えているのです。

よく3歳より前の小さい頃の記憶は覚えられないともいいますが、3歳以降は特に感動的だった、衝撃的だったエピソードというのは記憶に残りやすいと思います。

また、さかなクンはその時の感動として鮮明に残っているのが、大好きなゴミ収集車とお母さんの子供が喜んでくれた時の「満足げの笑顔」と書かれているので、是非子供と一緒に色々な場所に出かけるのであれば笑顔をみせてあげるといいかもしれません。

②1か月間タコ料理をし続ける

お母さんは、さかなクンがタコに興味のある時「タコをみたい」という言葉に嫌な顔をせずにタコを買ってあげたり、連日のようにタコを買いに鮮魚店へ一緒に行ったり、また1か月くらいの間、刺身、煮込み、酢の物など料理方法を変えて料理を作ってくれたそうです。

百歩譲って、安いタコを1か月買い続けることならできるかもしれませんが、色々と料理方法を変えて1か月の調理をするのは私は無理です。

それもさかなクンは買ってもらったタコを、虫眼鏡を使って、何回も吸盤を数えながら絵をかき、部屋中がタコの臭いで充満するまで、その場を離れなかったようなので、さかなクン自身の集中力もすごいですが、それを温かい目で見守るお母さんも強者です。

またさかなクンはタコが大好きな時に、水族館で1日かけてタコを眺めていることがあったそうですが、お母さんはそれに付き合い、タコの魅力に共感してあげたことで、さかなクンは嬉しかったそうです。

水族館にちょこちょこ行くのにかかわらず、お母さんはさかなクンと一緒に、ひとつひとつの水槽を1時間以上かけてみてあげるなんてお母さんすごいですよね。

 

③カブトガニの飼育

中学校3年生の時に、さかなクンは中学校の先生からカブトガニの飼育を任されますが、飼育できるような環境が整わなくて困っていたところ、お母さんはカブトガニの飼育の為に、一緒に大きな水槽を買ったり、海まで海水をとりにいってあげました。

そうして、1日2回カブトガニを水槽から出して散歩をしたりと可愛がった結果、紆余曲折しながら、さかなクンは専門家でも難しいといわれ、民間人では初めての快挙となるカブトガニの孵化で新聞でも取り上げられています。

④TVチャンピオンでの挫折

さかなクンは、高校3年生の時に「TVチャンピオン第3回全国魚通選手権」で決勝まで進出したにも関わらず、最後は負けてしまったことを悔しく思い、落ち込んでしまったようです。

ですが、そんなさかなクンにお母さんは、根掘り葉掘り聞くわけでなく見守り、もう一度TVチャンピオンにでると決まった時には自分のことのように喜び、様々な魚のブイヤベースを作ったりと、すごくサポートしてくれたそうです。

その後のTVチャンピオンでは、さかなクンはみんなの協力もあって見事優勝を果たしています。

落ち込んでいる時には余計な言葉をかけず、嬉しい時は自分のことのように喜ぶことができるお母さんは本当にすごいですね。

小学生からの夢である「東京水産大学」の先生に

さかなクンは小学校の卒業文集に「東京水産大学(現:東京海洋大学)の先生になることが夢。研究したことをみんなに伝えてあげたいからです」と書きましたが、お母さんの、見守りやサポートもあって、2006年に東京海洋大学の教授になり、小学生からの夢を叶えています。

小学校時代から成績がよかったわけではなく、高校でも偏差値の高い学校に進学はしておらず、東京海洋大学には学力が足りず合格ができなかった勉強はできないさかなクンですが、本人は「東京水産大学に入れずに勉強しとけばよかったという後悔はあったが、だったら今自分にできることは何かないのか」と探していたそうです。

この話を聞いて、「好きこそ物の上手なれ」という言葉は本当だなと思いましたが、それ以上にさかなクンが大学に不合格になったり、その他にも自分の思うような結果にならなかったりと、上手くいかないこともたくさんあったようですが、誰かのせいにするわけでなく、ひたすら自分に今できることはないかと考えられる、そのポジティブさにびっくりしました。

さかなクンのお母さんは、子供の個性をすごく大切にしていた

さかなクンのお母さんは、さかなクンに対して

思えば私は、これまで息子のやりたい事を好きなようにやらせて見守り続けてきたのです。今の息子を見ていると、自由に泳がせたら本当にお魚になったんだなぁと思います。

と金スマで、手紙で語っていました。

お母さんは、さかなクンの好きなことをいっさい否定することはなく、見守りとサポート、嬉しい時は共感し続けています。

その自由なさかなクンの様子に、むしろ周囲の人が心配して色々言ってきても、どんな時でもさかなクンが自分の好きなことを続けさせてきた、さかなクンのお母さんもある種すごい才能ですよね。

子供を見守るのって、言うのや書くのは簡単なんですが、大人はついつい自分がやった方が早いからといって、口を出したり、手を出したりしてしまうんですよね。

子供がスポーツなり、勉強なりの結果がすぐ出る子供であれば、周囲からの理解もあり、親も応援しやすいですが、結果とは関係なくただ子供の好きなことを応援するのは、なかなか出ません。

 

それに私なんかは、子供の好きなことよりも大人の都合に子供を合わせてしまうこともあります。

一般的に子供は大きくなるにつれて、親の支配や、存在を乗り越えようとぶつかったりしがちだと思いますが、さかなクンのお母さんは、小さい頃からもう一人の人間として見守るのを徹底しているのには本当に頭が下がります。

 

でも、子供の興味をつぶさないようにしながらも、なんでも好き勝手やらせてきたわけではないようです。

お魚屋さんでお魚をまるごと一匹買うことには大賛成してくれた母ですが、お魚に関する頼みなら何でも聞いてくれたわけではありません。お魚を買ってくれたのは、夕飯のおかずとして家族のお腹に入るものだったからでギョざいます。自分が好きで欲しいものは、「貯金して買いなさい」と母から教えられました。

出典:ベネッセ 教育情報サイト 「さかなクン」になるまで【後編】好きな道を突き進んだら、道が開けた!

さかなクンのお母さんが育児で一番大事にしたのは、好きなことを自由にやらせてあげることでしたが、好きなことをするうえで何が必要なのか、また自分で経験することの大事さなども教えてきたからこそ、さかなクンは小さい子供がそのまま大人になったような人ですが、多くの人から支持されているのでしょうね。

実際のさかなクンに会ってみて

実際に講演会で、私はさかなクンの話を聞きましたが、魚の知識の量はもちろん、「へぇ」と感心するような小ネタから、その早くて正確な絵を描くのを間近で見れたことで、大人である私はもちろんのこと、5歳である長男も、1時間以上もあった講演会の間、飽きることもなく、さかなクンに惹きつけられて、楽しく聞いていました。

さかなクン本人によれば、魚の絵を書いている時も、ヒレの1本も間違えてはいけないと努力しているそうです。

また、子供達の一つ一つの質問に対して、ものすごく丁寧に答えてくれていました。

例えば、「鯨(クジラ)は何類か?」という質問に対して、「哺乳類です」と答えるだけでなく、魚に大きいという意味の京が使われているといった漢字の成り立ち、色が黒と白からクジラという名前になった説など、1を聞けば10以上の答えが返ってくる感じでした。

さかなクンの話を聞く機会があれば、(特にお子さんが魚に興味があれば)連れて行ってあげると良い経験になると思います。

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