子育て・育児

嫌なことをされても「やめて」と言えない子供に友達の概念を教える

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domeckopol / Pixabay


発達障害を疑われている年長の長男が、最近になって急に「保育所に行きたくない」と言うようになりました。

長男に「保育所で何かあったの?」と聞いてみたところ、普段仲良くしているお友達から、時々「長男は、仲間に入れない」と言われて仲間はずれにされたり、嫌だって言っているのに、追いかけられたりすることがあるため、保育所には行きたくないそうです。

子供の世界では、このような出来事は時々起こることだと思いますが、親としてはどのように対応すればいいのか困ってしまいました。
臨床心理士さんに相談する機会があったので、発達障害(自閉症)がある子供の場合の対応方法について相談してみました。

臨床心理士さんが言うには、

子供が「嫌」とか「やめて」と言うことも大事だけど、それ以上に、その場を上手に避ける方法を持つことの方が世の中は上手くいく方が多いんですよ

と教えてもらいました。

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嫌と言えない人に、嫌と言わせるのは難しい

親からしてみたら、「嫌」とか「やめて」と言えない子供に歯がゆさをを感じることがあると思います。

私も、長男が保育所や、遊び場でお友達と遊んでいるのを見て、自分が嫌なことをされたら「嫌」って言ったり、人が邪魔で行きたい所に行けない場合に「ちょっとそこ通して」の一言が言えればいいのにと思うことがあります。

ただ「嫌」と言えない人に、「嫌っていってごらん」と無理やり言わせることは、その言葉を発する本人にとって非常に辛いことなんだそうです。

 

また、臨床心理士さんが言うには、日常で「やめて」とか「嫌」とか言っても、やめない相手は山のようにいるから、嫌とかやめてを言わせるよりも、自分でその場を回避する方法を学ばせた方が後でトラブルになりにくくなるそうです。

 

例えば、お友達に自分が使っているものを「貸して」と言われた場合、「今はダメだよ」と言えたとしますよね。

きちんと自分の気持ちを相手に伝えることは、とても大事なことです。

だから、時間をかけて少しずつでもいいから、子供にも自分の気持ちを勇気をもって、相手に伝えることを教えるのは大事だと思います。

しかし、現実は「ダメ」と伝えても、「貸して、貸して」と言いながら、奪ってしまう人は子供に限らず、大人でもいます。

このような場合は、相手と「ダメ」って押し問答しているよりも、「えー。私、これ使っているからダメなの」って言いながら、その場を離れたりと、トラブルを回避するための対処方法を教えてあげるのも一つの手なのです。

特定の相手に嫌と言えない場合

特定の相手に対して「嫌」とか「やめて」と言えない背景には、本人が友達と遊べなくなってしまうなどの関係の悪化を恐れている場合もあるかもしれません。

長男の場合は、お友達に「嫌」とか「やめて」といってしまうことで、関係が崩れてしまうことをとても不安に感じていました。

なので「お友達にやめてと言っているのに、やめてくれない場合はその場を離れることができるよ」と私が言っても、「その場を離れたら、もうお友達が遊んでくれなくなっちゃうじゃん」と答えました。

 
長男とお友達は、普段は仲良く遊んでいるので、自分が「嫌だ」と主張したことでもし喧嘩になったとしても、また時間が経てば遊べる相手だと思います。

喧嘩しても、時間がたてばリセットできる関係ならば、長男にお友達は「嫌」とか「やめて」といっても、大丈夫であることを伝えてあげて、不安感を取り除いてあげることが大事になります。

しかし、長男に友達関係の修復ができると伝えてみましたが、長男の気持ちの中には、まずお友達と遊びたい気持ちがあるので、たとえ自分に対して嫌なことをやられても、嫌と言う言葉を我慢したり、その場を離れないことも考えられます。

 
このような場合は、「友達の概念」をしっかり伝えることが大事だと言われました。

 
友達の概念の伝え方は、臨床心理士さんがこのように教えてくれました。

お友達って何だろう?

友達というのは、長男くんがものすごく嫌なことはしてこないし、長男くんもお友達にはものすごく嫌なことをしようとする気持ちが湧くことはありません。

いつも仲良くしたいなという人が、お友達といいます。

お友達は一度喧嘩しても、また仲良くして遊べるのがお友達です。
喧嘩をして、そのまま遊べなくなる人は、お友達ではない時もあります。

 

その上で一番大事なことは、子供に「お友達は喧嘩しても、また仲良く遊べる関係をいいます。だから大丈夫」と背中を押してあげることだそうです。

 

お父さん・お母さんが、お友達の関係をポジティブに捉えて、「大丈夫」と構えて伝えてあげることは、子供にとって重要のようです。

 

ただ、子供と話をする時に、一つ一つの話を重大に取り上げてしまうと、子供が親に教え込まれているという気持ちになったりして、嫌だなと思ったり、その後で親にいうのをやめてしまったりしてしまう場合がありますので、少し注意が必要です。

 
なので、子供が困っている時には、説得するかのように真剣にではなく、「ここはこうなんじゃないかな?」とから「お母さんだったら、こう思っているよ」といって、柔らかい雰囲気の中で提案するように話すといいそうです。

 

最終的に、子供達の関係は自分で結果を選ぶ必要が出てくると思いますが、大人がその結果を選ぶための情報を増やすことで、結果が変わってくるかもしれません。

子供の自分で判断する力を養う

これから先、長男だけでなく、他の子供達も、自分にとって嫌なことをしてくる人がいたらどうするのか。また、子供達自身も嫌だなと思う人が出てくる時に、どうしたらいいかを自分で判断していかなければならなくなります。

その時に、自分で判断をするための力を今から養うことが重要だと、臨床心理士さんに言われました。

 

特に、長男は「みんながやるから、やる」と周りに合わせている時があるので、今後大きくなって、自分が判断するときにも「みんな」という多数派を基準に考えてしまうと、お友達が他の人をからかっていたり、良くないことをしていても、みんながやっていたらから「僕も同じことをやる」という、危うい状態になりかねません。

 

なので、友達と一緒に遊ぶのは楽しいけど、友達をからかったりするなど、やり方が間違っている場合は、その都度ものごとの真実を伝えて、今が楽しいということだけでなく、お友達をからかってしまった、その先に起こることを説明するのもいいのではないかとアドバイスをしてもらいました。

育児には「ゆとり」と「ユーモア」も必要

ここに書いた内容は、あくまでも長男とお友達の中で起こった出来事なので、状況は様々だと思います。

また、今後はもっと友人関係も広くなってくるので、たくさんのトラブルが出てくるでしょう。

子育てをする上で、子供に誠実に接することや相手を尊重することも大事だけど、「ゆとり」と「ユーモア」がなくなると親子ともにピリピリしてしまいます。

ついつい、私も子供達に前のめりになりすぎてしまうことが多く、長男が「保育所に行きたくない」って言った時に、「どうしたの」と聞いても、「お母さんは話が長いし、話したくない」と言われて四苦八苦しています。

ただ、子供の悩みをまずは「それは辛かったね、嫌だったね。」と受け入れることに徹したり、一緒にバカ騒ぎして遊んだりしている中で、長男もポロっと悩みを相談してくれたりするので、子供との距離が縮まったり、また話が長すぎて嫌がられたりを繰り返しています。

子育ては一筋縄ではいかないですね。
すぐに結果が出なくて不安になることも多いです。

でも、子供が親に相談できるようになるだけでも、子供の辛い気持ちは楽になるようなので、あまり考え過ぎず、まずは子供が愚痴を言える環境になるように、お母さんたちはドンと構えていることを大切にすると良いのかもしれませんね。

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